福留12戦連続安打!アンタが頼りや
「阪神2-2広島」(12日、甲子園球場)
勝てそうで勝てなかった。残ったのはもどかしさだけ。適時打を含む2安打も実らずドロー。阪神・福留は敗戦時と同様に、通路を足早に歩いた。「とりあえず、また明日」。小声で一言だけ残し、無表情でロッカールームへと消えた。
ただ、ベテランの奮闘なくして、引き分けはなかった。初回、能見があっさりと先制を許した。前夜は黒田に抑え込まれて敗戦しており、嫌な展開を引きずったような滑り出しだった。
流れを変えた。初回2死二塁。2球目。際どい外角直球をストライクと判定されて追い込まれた。すると、打席を外して気持ちを整理。仕切り直して、5球目の外角スライダーを捉えた。今季最長タイの12試合連続安打となる同点の中前適時打。一塁上ではナインを鼓舞するように激しく手をたたいた。
試合中には広報を通してコメント。「2球で追い込まれた状況をつくられてしまったのですが、何とか最後に外寄りの変化球を拾うことができました」。好調な4番に好機を回せば…。期待を抱かせる第1打席だった。
しかし、巡り合わせが悪かった。走者を置いた場面で打席が回ってきたのは、初回しかなかった。八回無死で今村から放った右前打も、得点には結び付かなかった。
延長十二回1死は、中崎の内角直球で見逃し三振。サヨナラホームランを期待していたファンの歓声が、ため息に変わると、空を見上げながら一塁ベンチへと戻った。
13日の広島先発は前田。今季の対戦成績は2試合で2敗、対戦防御率0・60と抑え込まれている。それでも難敵を攻略してこそ、優勝に向けて勢いがつく。この日の悔しさを前田攻略へつなげる。
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