ゴメ弾!1カ月ぶりお目覚めは超特大
「DeNA2-3阪神」(9日、横浜)
両手に残る感触が心地良い。弾丸ライナーで伸びた打球は、瞬く間に左翼席最上段の看板の下に直撃した。これぞ、4番の働きだ。スタジアムの視線を独り占めにした阪神・ゴメスは、余韻を楽しむように、ダイヤモンドを1周した。
「しっかりと捉えることができたと思う。早く追加点がほしい展開だったので、いい場面で一本打つことができたよ」
ここぞの場面で待望の一発が飛び出した。1点リードの六回だ。一塁に福留を置いて、ゴメスが内角低め直球を豪快に振り抜いた。7月9日以来、1カ月ぶりの本塁打はリードを3点に広げる値千金の13号2ランだ。
ようやく、長いトンネルから抜け出した。この1カ月、Hランプはともるが、打球が上がらない。本人は「そういう意識はなかった。いつか出ると思っていたからね」と言うが、21試合96打席も、快音から遠ざかっていた。ホッと胸をなで下ろした和田監督は勝負強さに期待を込めた。
「長いのが出てないと、必要以上に大振りになることもあった。ここ何試合かタイムリーが出て状態が上がった中での一発だった。本塁打の数からしたら本人の思うところじゃないけど、効果的な一発を打ってほしい」
暑気払いの新パフォーマンスも初披露した。歓喜のベンチ前。相棒の今成とハイタッチしてジャンプしてお尻を合わせる。これまで、最後はコマネチポーズで締めたが、この日は両手を掲げてC字に。「練習したわけじゃないよ」。イタズラっぽく笑うゴメスは満足顔でバスに乗り込んだ。
DeNA3連戦は12打数6安打5打点の大爆発。連続打点は5試合に伸びた。「それが一番大事なことだからね。これからも続けられるようにしたい」。空前の混戦が続くペナントレース。勝負の夏場を迎え4番のバットが本領発揮の予感だ。
