柴田が黒田撃ち“大物キラー”襲名や

 「広島6-6阪神」(23日、長野)

 阪神・柴田がまたビッグネームを食った。五回2死一、三塁。2ボール1ストライクから黒田の浮いた136キロを引っぱたき、右中間を突破。師匠顔負けの高速スイングで2点のビハインドを跳ね返した。

 「高めのボールを逃さず打ち返すことができました。逆転された直後に取り返すことができて良かったです」

 米大リーグ・ジャイアンツの青木宣親を「極上のお手本」にする贅沢(ぜいたく)な男だ。一昨年オフに青木に弟子入りを志願し、希代のヒットメーカーから「こいつの打撃、めちゃいい」と言わしめた。青木はロイヤルズ時代の昨季、ヤンキースの黒田を相手に2打数無安打。師と仰ぐ男が苦慮した右腕から初回中前打を含むこの夜2安打。そのポテンシャルはホンモノだ。

 今月6日の日本ハム戦(甲子園)で開幕7連勝だった大谷から2安打を放ち、決勝のホームを踏んだ。翌朝「柴田 大谷撃ち!」の記事を青木門下生のヤクルト・上田が師匠にメール送信。すると、フィラデルフィア遠征中の青木から柴田の無料通信アプリLINEにエールが届いた。「その調子でな!」。短い言葉が心に染みた。

 交流戦中、地獄も味わった。12日のオリックス戦(京セラ)で戦犯になった。延長十回、安達の中前打の処理を誤り、サヨナラ負け。「僕のせいで…」。失意で言葉を失った。そんなとき、山脇外野守備走塁コーチから「取り返せ」と励まされ、和田監督からは「失敗しても使う」と叱咤(しった)された。周囲に支えられ、今がある。柴田の恩返しはここから始まる。

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