メッセ 大谷に投げ勝つ8回2安打0封
「交流戦、阪神1-0日本ハム」(6日、甲子園)
天賦の才に恵まれた20歳の右腕。その輝きがかすんで見えた。阪神・メッセンジャーが8回2安打無失点。日本ハム打線に付け入る隙を与えず、大谷との投げ合いを力で制した。「この内容ならいつでも投げたいよ」。昨季セ・リーグ2冠の貫禄で手にした4勝目だ。
序盤からフルスロットル。150キロ超の直球に変化球を効果的に織り交ぜた。「打者の目先を変えて緩急を使ったうまいピッチングができた」と自画自賛で振り返った。
四回、1死一、二塁から4番中田を併殺打。五回無死一塁では送りバントの処理を失策し、自ら一、二塁とピンチを広げた。しかし、続く大谷、レアードを空振り三振。打者大谷は、全3打席で空振り三振。決め球をフォーク、カーブ、直球と変えた。すべてで大谷は対応できなかった。
投打で注目された対戦に「ダルビッシュと対戦した時と同じ。好投手だとわかっていたけど、意識しちゃうと甘い球が増えるから」とあえて無関心を貫いた。しかし、実は大の高校野球ファン。大谷のことは花巻東時代から注目し、昨年も「(2012年)春のセンバツ、夏の地方大会から見てたよ。今、日本で一番球が速いピッチャーだね」と興味津々で話していた。昨年6月、大谷が160キロを計測した阪神戦もテレビ観戦。意識し続けてきた相手だった。
自身今季初の連勝で、5月29日・西武戦から15回連続無失点となった。大谷の健闘を「若いし、自分より持っているものはある。可能性を秘めているからすごい選手になると思う」とたたえた右腕。だからこそ、そう簡単に白星は譲れない。こん身の128球。破竹の勢いの若武者に見せつけたのは、日本で勲章を手にした助っ人のプライドだ。
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