上本、大谷止めた 虎3連勝で5割復帰

 「交流戦、阪神1-0日本ハム」(6日、甲子園)

 無敗の剛腕に、虎が土をつけた。阪神は上本博紀内野手(28)の先制中前打で挙げた1点を、メッセンジャー-呉昇桓のリレーで守り切り、今季5度目の3連勝。開幕から負けなしだった日本ハム・大谷翔平投手(20)の連勝を7で止め、勝率5割に復帰した。この1勝で弾みをつけて、残り8試合、パ・リーグ相手にさらに勝利を積み重ねるで!!

 無心だった。体は自然に反応し、大谷の失投を捉えた。快音が歓声にかき消される。値千金の決勝打。上本が難攻不落の右腕に今季初めて土をつけた。

 四回だった。柴田、マートンの連打で無死一、三塁からゴメス、福留が連続三振。日本ハムに傾きかけた流れを引き戻した。

 「相手は直球も変化球もすごい球を持っているので、細かいことは考えず、とにかく食らい付くだけだった」

 ど真ん中に入ってきた142キロのフォークを中前に運ぶ。大谷とは8回1安打無失点で、11三振を奪われた昨年6月18日以来の対戦。通算12イニング目で、スコアボードに初めて1を刻んだ。

 チームとして日本球界最速の162キロ右腕対策を講じていた。

 試合前のフリー打撃。普段なら打撃投手はマウンドから約2メートル前から投げるが、この日はさらに1・5メートル前進。各打者は約15メートルの距離から打ち返した。大谷を完全攻略できたとは言えないが、スピード感を体に植え付けたことが、四回の集中打につながった。

 上本にとっても弾みがつく一打となった。昨季は131試合で打率・276。定位置をつかんだはずだったが、開幕から調子が上がらずに先発落ちも経験した。

 4月29日のヤクルト戦で左足を大きく上げるフォームを試したことをきっかけに、形にはこだわらなくなった。試合ではノーステップなど相手に合わせたフォームでスイング。「感覚なので。形は考えていない。どうやってタイミングを合わせるか、を考えている」。これで4試合連続安打。着実に道は開けている。

 9連戦初戦。開幕7連勝だった大谷を止めて、幸先のよいスタートを切った。今季最多の4万6786人が駆けつけ、交流戦初の大入りとなった甲子園のボルテージは、最後まで上がりっぱなしだった。

 「この勢いであしたも頑張りたいと思います」。もっともっと暴れ回ってくれ。お立ち台に上がった選手会長の背中を押すように、スタンドには万雷の拍手がこだました。

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