ゴメス逆襲弾!4年ぶり交流戦開幕星
「交流戦、阪神3-0楽天」(26日、甲子園)
主砲の豪快な一発で、4年ぶりの交流戦白星発進だ。阪神のマウロ・ゴメス内野手(30)が1点リードで迎えた五回、左中間席に4号2ランを放ち、勝利を引き寄せた。投げては岩田稔投手(31)が自身4年ぶりの完封勝利。西岡、新井良が故障で戦線を離脱する中で、投打がしっかりとかみ合った。苦手とする交流戦だが、ここから反攻といきたい。
打球音は激しく鼓膜を揺さぶり、敵の戦意をそいだ。夜空に描いた完璧な弾道。ゴメスが再進撃へ号砲を上げた。1点リードの五回1死一塁。塩見の外角フォークを芯に乗せ、左中間へ緩やかなアーチを描いた。17日・中日戦以来7試合ぶりの4号2ランは、読み勝ちでもあった。
「あの打席までカウント2-2からは変化球が多かったので、変化球が来るなと思っていた。打席でリラックスして低めを見極めて、浮いてきた球を打とうと思った」
勝利を大きくたぐり寄せる本塁打だった。打線は初回に先制後、追加点を奪えていなかった。「点を取れていなかったし、自分としても久々に本塁打を打ててよかったよ」。あごにヒゲを蓄えた助っ人は、満足そうに目尻を下げた。
リーグ戦は借金4と低迷し、交流戦に突入。主砲は気分を一新して開幕を迎えていた。この試合から打席に入る時に流れる登場曲を、ドミニカのソロシンガー「Messiah Ft. Tail」の「Commas(Spanish Remix)」に変更した。
「好きな曲の1つ。気分を変えてみたんだけど、それもいいように影響してくれたのかもしれないね」。登場曲の変更は“吉兆”だった。開幕3戦目の3月29日・中日戦でも登場曲を変更して1号2ラン。「ただのラッキーだよ」と苦笑いしたが、またも幸運は再現された。
チームにまん延する悪い流れを、変える勝利にしたい。23日は西岡、25日には新井良がともに負傷で出場選手登録を抹消された。和田監督は三塁手の相次ぐ離脱で、関本を今季初先発に起用。ベンチは代打の切り札を欠いており、依然として危機的状況は続いている。
だが、前向きになれる材料もある。和田阪神では初の交流戦白星スタート。12年5月19日から続いていた、甲子園での楽天戦の連敗も6で止めた。そして、何よりもゴメスの一発で勝利をもぎ取ったことに価値がある。