和田虎 理想は「日進月歩」で10年ぶりV

 「阪神-中日」(27日、京セラ)

 スタンバイOKや-。阪神・和田豊監督(52)が開幕前日の26日、30年ぶりの日本一奪回を高らかに宣言。シーズン中も成長を重ね、強さを増す「日進月歩」の戦いを理想に掲げた。開幕から徐々に勢いを付け、勝負どころのペナント終盤に一気のスパートをかける構想で、10年ぶりにセ界を制覇する。

 ビッグゲームを翌日に控えても、心境はいつもと変わらなかった。バタバタする必要は何もない。和田監督は終始、穏やかな表情を浮かべて選手の動きを見守った。

 「ここまでやるべきことはできたと思う。開幕に向けて準備は整いました。心境的には落ち着いています」。揺るぎない自信がみなぎっていた。

 監督就任4年目。積み上げた経験が余裕と長期的なプランを生んだ。キーワードは「日進月歩」。絶えず進歩する-。チームの今季目標に掲げた。

 「試合をするたびに強くなる。そうなるチームが勝つ。成長していくチームだね」。急失速し、リーグ優勝を逃す原因となった昨季9月の反省。開幕から徐々に力を付け、勢いを増して勝負どころの9月を迎えるのがベスト。「そういう戦い方をしたい」と虎将は力強く誓った。

 究極の理想は昨季のクライマックスシリーズ。無敗で広島と巨人を倒し、日本シリーズに進出した、あの驚異的な強さと勢いを今季につなげる。「ああいうゲームをシーズンでいかにできるか。あの短期決戦での戦い、思いをいかに143試合に近づけられるかだね」と期待を込めた。

 1番・鳥谷、3番・西岡…。オフの間から頭を巡らせ「今年は、これで行こう」という理想のオーダーで臨む開幕戦。迷いも不安もない。球団創設80周年の節目を迎えた今季、歩むべき道のりがはっきりと見えている。「10年ぶりのリーグ優勝、CSを勝ち抜いて、日本シリーズで勝利する。それだけです」と熱い口調で誓った。

 いざ大舞台へ。和田監督が今季初勝利、その先に揺れるチャンピオンフラッグに向かってタクトを振るう。

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