ゴメス お待たせ1号!体調100%弾

 「練習試合、ヤクルト6-1阪神」(18日、神宮)

 阪神のマウロ・ゴメス内野手(30)が無観客で開催されたヤクルトとの練習試合で15年度の1号アーチを左翼席へ放った。来日前にパスポートを盗まれ、キャンプ終盤に左脇腹痛で戦列を離れるなどアクシデント続きだったが、3・27へ向け、存在感が増してきた。体調万全と自負する不動の4番が開幕へ死角なしだ。

 ゴメスは拍手も歓声もない神宮のダイヤモンドをはにかみながら一周した。両手を上空にかざす生還時お決まりのパフォーマンスこそ封印したが、余韻に浸る顔から白い歯が消えることはなかった。

 「体調が100%に近い状態なんだ」

 ヤクルトの開幕ローテを担う石山から15年の1号アーチをかけた。二回無死。内角に沈む2球目の変化球を振り切ると、打球は左翼ポール内側のフェンスをまたいだ。3・27の開幕まで残り9日。パーフェクトな肉体で迎える新シーズン、昨季の打点王がセ・パ11球団の脅威になる準備を整えてきた。

 「この時期の結果を意識することはないけど、打席の中の感覚は悪くないし、しっかりとボールを見られているんだ。このまま開幕に合わせていきたい」

 外角に沈む初球のスライダーをミットに収まるまで見極め、直後のオーバーフェンスにつなげた。好不調のバロメーターは「外の球を右方向へ強く運べるかどうか」だ。開幕前に、右膝裏に痛みを発症し、軸足に不安を抱えていた昨季は外角球を粘り強く見るためのフィジカル的な条件が整っていたとは言えない。

 タイトルホルダーに対する他球団007のデータ収集は緻密さを増し、ストロングポイントを消されることは火を見るよりも明らかだ。それでもゴメスは打撃スタイルの見直しを否定し、「去年と同じような形で今年もやる自信はあるよ」と胸を張る。その裏付けはブレない軸足の強度にあるのだ。

 開幕オーダーの輪郭は固まりつつある。昨季同様、5番に14年首位打者のマートンが控えることで、相手バッテリーの選択肢は狭まる。4番が年間166三振を喫した選球の精度を洗練すれば、脅威度は増す。三振を喫した六回はフルカウントから外の変化球に空を切り、昨季までの弱点が顔をのぞかせたが、修正途上の範囲内だろう。

 「毎試合、毎打席ベストを尽くして、チームの勝利に貢献したいんだ。去年がどうだったとかは意識せず、自分の仕事に集中するよ」

 キャンプ終盤に痛めた左脇腹は完治した。鳥谷、マートンら主軸が免除された16日の指名練習にも志願参加。グングン調整のピッチを上げてきた。陰りないドミニカンが静まりかえった神宮で「快幕」の予感を漂わせた。

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