鳥谷「生涯虎」宣言 5年20億円で契約

 阪神・鳥谷敬内野手(33)が22日、兵庫県西宮市内の球団事務所で契約更改交渉に臨み、年俸4億円の5年契約でサインした。日本シリーズ後に海外FA権を行使し、メジャー挑戦と阪神残留で揺れていたが総額20億円の大型契約で残留を決意。鳥谷はメジャーへの気持ちを完全封印し、「生涯虎」をはっきりと宣言した。

 鳥谷の夢が動いた。早大時代から心のキャンバスに描き続けたメジャーリーグへの憧れを塗り直し、「生涯虎」を宣言した。会見で米国への気持ちは封印するのかと問われると、はっきりと答えた。

 「もう(残留を)決めるにあたっては、本当に阪神で優勝したいという気持ちを強く持ったので、阪神で終われたらなと思います」

 日本シリーズ終了後、海外FA権を行使した。昨年11月末のNPBアワーズの際には「何を言われても気持ちが変わるわけではない」と海を渡る決意を公言。敏腕スコット・ボラス氏を代理人に立てブルージェイズなど複数球団から本気度の高いオファーも受けたが、阪神で優勝したい気持ちが積年の夢を上回った。一番の決め手は後輩たちへの愛着だった。

 「入団2年目のときはベテランの人たちに優勝させてもらった思いがある。年を重ねていった中で優勝できていない思いがあって、優勝を味わってもらいたいと毎年思っていた。行き先を決めるときにそれは大きかった」

 前回優勝の05年はプロ2年目。金本、矢野、下柳ら年配の立役者に美酒の味を教わった。あれから9年。主軸に成長しながら歓喜から遠ざかり毎年苦杯をなめてきた。阪神球団と重ねた直接交渉を振り返り「なかなか進路を決めることにぶつかったことがなかったので今までで一番悩んだ」と打ち明けたが、決意表明の表情は吹っ切れていた。今度はオレが!と先頭に立つ責任感をみなぎらせた。

 「個人的にはしっかり動ける準備をしてきたので技術的なものをシーズンまでに仕上げて過去に自分が残したものすべてを上回れるような1年にしたい」

 年始から沖縄で行っていたロッテ井口らとの合同トレを打ち上げ、キャンプへの準備は整った。昨季は144試合フルイニング出場し、打率・313、8本塁打、73打点の成績を残した。「続けたい」と話した連続試合出場は現在1466まで伸び、鉄人金本知憲の1766試合に迫る。名球会資格の2000安打まで残り389本。残留を望んだファンからは個人記録への期待感も高まるが、主将の思いはひとつだ。

 「今年はリーグ優勝して日本一になりたい」。鳥谷はユニホームを脱ぐそのときまで阪神で夢を追い続ける。

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