ドラ1横山、屈辱の甲子園で成長見せる

 「プロ野球ドラフト会議」(23日、グランドプリンス新高輪)

 阪神はドラフト1位で最速147キロ左腕の新日鉄住金鹿島・横山雄哉投手(20)を指名した。2度、1位抽選を外したが、12球団最後の入札で即戦力候補をゲット。高校時代に同じ東北出身の菊池雄星2世と呼ばれた剛腕は開幕ローテ入りし、優勝へ貢献することを誓った。

 「阪神、横山雄哉」-。名前が読み上げられると、張り詰めていた緊張が少しずつほどけていった。4球団競合の末、早大・有原を逃し、亜大・山崎の抽選にも敗れた和田阪神に、12球団最後で1位指名を受けた。「ドキドキしながら見ていたんですけど、指名を受けた瞬間はホッとしました」。徐々に実感が湧いてきたのか、最後にやっと笑みが浮かんだ。

 聖地のマウンドは、横山の「原点」でもある。山形中央2年の春と夏に甲子園に出場したが、いずれも初戦敗退。春の日大三戦では、7回0/3を18安打13失点で降板した。「上には上がいるんだなと、思いしらされました」。地元では同じ東北出身の菊池雄星2世と言われた左腕が、初めて挫折を経験した場所。それから目の色を変えて、猛練習に取り組んできた。

 新日鉄住金鹿島に入社後は球速を上げることと、制球力の向上に励んできた。野球部伝統の投球練習は、内外角の低めにそれぞれ10球ずつストライクをと取るまで終わらない。1年目は300球を投じることもあった。そのおかげで制球力が身に付いた。

 高校時代は球質の軽さが弱点でもあり、体重増にも努めた。入社1年目の体重は75キロ。ウエートと寮の食事以外にも間食を日課にした。おにぎりとパンを買い込み、「必死に食べた」。そのおかげで3年目には85キロに増量成功。球速もMAX147キロまでアップした。

 その成果が、全足利クラブの補強選手として出場した今夏の都市対抗野球大会だ。2回戦の松山フェニックス戦で5者連続三振を奪う快投。「ストレートの制球とスピードは上がっている。(プロでも)三振を多く取りたい」と意気込んだ。

 11月に台湾で開かれる21Uワールドカップ日本代表にも選出されている左腕は、「(1位として)期待に応える責任がある。ずっと先発をやらせてもらって、しっかり1軍の先発マウンドに立てれば」と開幕ローテ入りを目標に掲げた。「甲子園という場所にまた戻れる。成長したところをファンの前で見せたい」。聖地の大観衆の前で、虎党に歓喜をもたらす男になる。

2023-11-05
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