阪神のマウロ・ゴメス内野手（３０）が２０日、１９８５年以来の日本一に導くために、日本シリーズでの最多打点記録更新を誓った。同シリーズ記録は１０。巨人とのＣＳファイナルＳで、セ・リーグの同一ステージ新記録となる８打点を挙げた主砲が、自身のバットでチームを頂点に導く。

　悲願の日本一まで、あと４勝。２９年ぶりの頂は、目の前にはっきりと見えている。もう突っ走るだけだ。ゴメスが球史に名を刻み、来日１年目の集大成を彩る。

　日本シリーズの最多打点記録は、７８年の大杉勝男（ヤクルト）、８４年の長嶋清幸（広島）の１０。大舞台での打点記録更新への意気込みを問われた４番が自信を見せた。

　「チームの勝利のために一生懸命、プレーしたいね」

　来日１年目の今季は１４３試合で４番を務め、１０９打点でリーグ打点王に輝いた。シーズンで得点圏打率・３２１をマークした勝負強さは、ＣＳでも健在だった。

　巨人とのファイナルＳは４試合で８打点。セ・リーグのＣＳ同一ステージの打点新記録を樹立した。

　際立っていたのは集中力だった。ファイナルＳ第１戦では２ランを含む３打点。第３戦でも決勝２点タイムリーを含む３安打で３打点を挙げた。

　ポストシーズン１試合３打点は、球団外国人としては８５年の日本シリーズ第３戦のバース以来。日本シリーズでも、ここ一番での決定打に期待がかかる。

　“ポストシーズン男”を襲名しそうな勢いで暴れる主砲だが、シーズンから打撃成績の中で何よりもこだわっていたのが打点だった。「打点を挙げているということは、チームの勝利に貢献できているということになるから」と話してきた。

　１９日に家族とともに帰阪し、この日は静養した。「相手はどこであろうと、チームのために全力を尽くすだけ」と話す真面目なドミニカン。どんな時でも変わらないフォア・ザ・チームの精神で、再びチームに歓喜をもたらす。