藤浪、江夏以来の高卒新人2年連続10勝

 「阪神9‐3中日」(19日、甲子園)

 阪神・藤浪晋太郎投手(20)が、球史に名を刻んだ。7回3失点で10勝目を挙げ、セ・リーグの高卒新人では1968年の江夏豊以来となる高卒1年目からの2桁勝利をマークした。猛虎は大勝して2位・広島には0・5ゲーム差に迫り、自力2位の可能性も復活。甲子園でのCSもはっきりと見えてきた。

 激痛に耐え、藤浪が雄たけびをあげた。5点リードの六回。2死一、二塁から荒木の強烈なワンバウンドの打球を左足太もも付け根に受けた。たまらずベンチで治療を受けたが、不屈の闘志でマウンドに戻った。

 2死満塁。膝元のカットボールに、大島のバットが空を斬った。「イメージしたところに投げることができました」。この夜一番のボールで、球史の扉をこじ開けた。セ・リーグでは68年江夏以来となる高卒新人2年連続2桁勝利を手にした。

 「タイガースで高卒で何かするたび、江夏さんの名前がついてまわる。大先輩に少しでも近づけるように今後も頑張りたいです」

 お立ち台に、笑顔はなかった。初回、7試合連続で先頭の四球からピンチを招くと守備が乱れ2失点。すぐに攻撃が逆転したが二回も3本の安打で追いつかれた。「自分でコントロールしきれなかった。(初回は)先頭に四球を出してしまったので、しっかり反省したいです」。中盤以降はテークバックと腕の振りを修正しゼロを並べた。終わってみれば7回を投げ9安打3失点(自責1点)でまとめた。五回には左前適時打を放ち、今季6打点目を挙げた。

 飽くなき探求心が、藤浪の進化を支える。8月、オリックスの金子が監修した「変化球バイブル」を手に取り、握りを研究した。「やっぱりおもしろい。自分が使えるかどうか分からないですけど」。野球を始めたころから、新しく覚えた変化球で三振を奪うのが快感だった。

 ただ、2年目の今季は新球を覚えようとしなかった。新球よりも持ち球に磨きをかけた。昨年と比べてフォーク、ツーシームは精度が増し、投球の幅も広がったが、それだけでは満足はしない。

 「変化球の中で緩急をつけたい。例えばフォークとスプリット、カーブとスローカーブのように」。追い求めたのは緩急と奥行き。球界を代表する投手へ、まだ進化の途中だ。

 広島が敗れ、2位と0・5ゲーム差。藤浪は逆転日本一をあきらめていない。「CSに出て、勝ち上がって、日本一で終わりたい」。昨年敗れた悔しさを晴らすCSという舞台が、もうすぐ訪れる。

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