ゴメス来日初の退場 最悪バースデー…

 「中日2-0阪神」(7日、ナゴド)

 阪神・ゴメスの表情は明らかに殺気立っていた。試合後、報道陣を寄せ付けず、一言も発することなくバスへ乗り込んだ。この日が30歳の誕生日。最高のハッピーバースデーにするはずが…。まさかの退場処分という最悪の結末が待っていた。

 場面は六回だった。2死二塁で迎えた第3打席。2ストライクから雄太が投じた内角直球に判定はストライク。見逃し三振に倒れた直後、いきなりゴメスが原球審を見ながらバットで打席内にボールの軌道と思われるラインを引いた。

 これが審判への侮辱行為となり即刻、退場処分が宣告された。慌てて和田監督がベンチから飛び出して抗議したが、時すでに遅かった。追い上げを期し、終盤を迎える前に頼みの4番がグラウンドから消える最悪の展開。イライラが募る伏線は四回の第2打席にあった。

 四球で歩いたが、2ストライクの前後でインサイドの判定がかなり曖昧になった。これにはゴメスだけでなく、捕手の谷繁兼任監督も苦笑いを浮かべていたほど。退場処分に発展した最後の1球も内角直球。怒りが一気に爆発しても不思議ではなかった。

 和田監督は「ゴメスに限らず、誰が退場になっても痛いよ」と言う。4番が消えた猛虎打線に、もはや試合を引っくり返す意地も力もなかった。

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