岩貞、警戒し過ぎた…聖地黒星デビュー

 「阪神2‐4ヤクルト」(8月31日、甲子園)

 地鳴りのような大歓声。まばゆいカクテル光線。まっさらな本拠地のマウンド。ようやく訪れた甲子園デビュー。だが、すべての印象が吹き飛ぶほど、阪神・岩貞の頭の中は後悔の念に支配された。

 「いい打線のイメージが強くて、自分で勝手に強く警戒してしまった」

 試合前から相手にのみ込まれた。最下位とはいえ、相手先発はライアン小川。さらにリーグ最強の破壊力を誇るヤクルト打線だ。先に点を与えてはいけない。勢いに乗せてはいけない。考えれば考えるほど、慎重さが裏目に出てしまった。

 初回、先頭・山田に中前打を許す。2死を奪ったものの、4番・畠山を迎えて、明らかに配球に変化が見え始める。「真っすぐに強いというのが(頭に)あった」と、畠山の2球目から打者4人に対して、19球連続で変化球を投じた。

 畠山、雄平に連続四球を与えて2死満塁。すると、飯原に高めに浮いたカットボールを狙われた。2点を先制される2点適時打。警戒心が、最悪な結果を生み出した。

 不運もあった。雄平の5球目、飯原の3球目だ。変化球を低めに決めて、ハーフスイングを取ったかに見えた。だが、判定はボール。ストライクコールがあれば、状況は一変したかもしれない。ただ、「ボール球を振ってもらえずに自分から崩れてしまった」と制球の乱れを反省した。

 三回以降は直球を交え出したが四、六回に四球が絡み、再三のピンチを招いた。左腕の5四球に和田監督も「最後は置きにいくようなカウントばかりになっていた」と嘆いた。

 六回途中4失点(自責点3)。ほろ苦い聖地デビューとなり、2敗目を喫した。梅野とともに、高い授業料を払ったと思えばいい。怖さを知った左腕は、次は立ち向かえるはずだ。1球1球が岩貞の成長へとつながっていく。

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