能見トンネル抜けた…77日ぶり6勝目

 「阪神5‐4広島」(9日、京セラ)

 エースにやっと、笑顔が戻った。自身6連敗中だった阪神・能見篤史投手(35)が7回1失点で5月24日以来、77日ぶり白星となる6勝目を挙げた。自ら適時打も放ち、勝利に貢献。長い長いトンネルを抜け、チームは首位巨人と0・5差。このまま一気に首位獲りや。

 ようやくの白星が輝き、長いトンネルを抜けた。「チームが勝って僕も勝ちが付いて良かった」。7回1失点のピッチングに加え、自ら打点も挙げたパフォーマンス。清水と上がったお立ち台に、能見の笑顔が浮かんだ。

 「先に点を与えることが多くて、自分の中で敗因と思っていた」

 気を付けた立ち上がり。三回は無死一、二塁、四回は2死一、二塁のピンチを無失点に抑えた。「(清水が)僕のいいところを引き出してくれた」。四回の打席では2死一、三塁からの左前適時打と投打の活躍。打線の援護もあり、5月24日のソフトバンク戦以来の6勝目となった。

 「ここまで迷惑かけてたので」と能見。自身6連敗の重圧は感じていた。「背負うものはあるよ。プレッシャーもあるから」。過剰な意識はなくても「エース」としての期待が寄せられる。6連敗となれば、余計に重みが増してくる。けれど、託された思いは励みにもなっている。あれから2年が経過しても、忘れていない。

 「能見さんに懸けるものがある。能見さんが勝てるようにサポートする。エースになってもらいたいから」

 胸元に投げかけられた「ストレート」。強くハートに響いたのを覚えている。12年のシーズンを迎える前、結果的に阪神最後の年となった藤川(現カブス)に熱く訴えられた。

 「エース」の言葉に気付かされた思い。「そう言ってくれるのがありがたいしね」。再確認できたのは周囲の支え。それに応えるために投げようと強く思えた。今回の連敗中、苦しくても「自分よりもチームが勝てばいい」と繰り返した。その思いが能見の支えであり、藤川の言葉も原動力となっている。絆は今も変わらない。

 7日に、藤川が昨年の右肘靱帯(じんたい)修復手術からメジャーに復帰したことには「苦労したやろうけど良かった」と思いを寄せた。自身もこれで連敗脱出。歩調を合わせるように、逆襲の一歩を力強く踏み出した。

 「僕自身がしっかりすればもっと上にいける。(6勝10敗で)借金もあるし続けないと意味がない」。首位・巨人に0・5ゲーム差に迫った価値ある勝利。戦いはこれからだ。自然と背負う宿命の重さを受け止め、優勝に向けて突き進む。

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