4番ゴメスV打 91三振も64打点

 「阪神1-0ヤクルト」(2日、甲子園)

 阪神・ゴメスは汗だくの手で球団広報の腕にいたずらをしていた。ベンチ裏の囲み会見。記者からの質問を待つ間、手持ちぶさたで指パッチンを連発。「スミ1」のヒーローは、いたずらっぽく笑った。

 試合後の無邪気な顔とは対照的だった。初回2死二塁で打席が巡ると、浮いた直球を眼光鋭く狙い打った。フルスイングで左前へはじき返し、欲しかった先制点を奪い取った。「気分はいいけど、きょうは岩田がいい投球をして勝ったことが一番うれしいよ」。岩田の粘り強い投球で初回の1点が決勝点になった。

 プロ初先発の石山とは3度目の対戦だった。4月20日のヤクルト戦で中継ぎ登板の右腕から2点二塁打を放っており、「初先発の投手だけど対戦はあった。まっすぐがいいことは分かっていたから甘い球を打つことを考えていたよ」とニヤリ。予習と復習を怠らず、結果につなげた。

 追加点が欲しい八回。ヒットの鳥谷を一塁に置いて、三振に倒れた。これでリーグ最多の91三振。このペースなら年間三振数は180に迫りそうだが、この「勝負強さ」があれば悪印象は免れる。

 かつて日本ハムの4番として活躍したマット・ウインタース現日本ハム駐米スカウトが今春の宜野座キャンプを視察した際、ゴメスに触れ「米国でもたくさん三振していたし、日本でもするだろう。いいじゃないか。ブライアントは年間、いくつ三振したと思う?」と、笑い飛ばした。

 3度の本塁打王に輝いた近鉄のブライアントは8年間で5度の三振王を記録した。それでもファンの記憶には、その強烈な弾道と輝かしい記録だけが鮮明なインパクトとして残っている。

 記憶に残る助っ人になるために、ゴメスはこれからもフルスイングを続ける。

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