和田監督の直ゲキ実らず初サヨナラ負け

 「中日2‐1阪神」(8日、ナゴド)

 阪神は今季初のサヨナラ負けを喫し、2カード連続で負け越した。1‐1の九回の守り、和田豊監督(51)自らマウンドに行き、加藤康介投手(35)にゲキを飛ばしたが実らず、荒木にサヨナラの左前打を浴びた。首位・広島とは2ゲーム差に開いた。

 無情のコントラスト。歓喜と悲哀。今季初のサヨナラ負け。力ない足取りでタテジマがベンチに戻る。勝利の方程式が崩れ、和田監督の猛ゲキも実らなかった。2カード連続の負け越し。猛虎に試練が訪れた。

 同点の九回、2死満塁。虎将がベンチを出た。加藤を中心とした輪の広がるマウンドに足を向けた。内野陣に複数の打球パターンを確認させ、加藤には真っ向勝負を指示した。しかし…。荒木への初球。悲しみの打球が三遊間を割った。

 勝ちパターンが一変した。1点リードの八回、7回無失点と好投した岩田を継いだ福原が、2死からルナに同点ソロを被弾。右翼最前列に消えた放物線。暗転の序章だった。

 直後、1死満塁の勝ち越し機を迎えたが、先制打を放っていた新井良が空振り三振。福留が二ゴロ。「あそこで勝ち越さないと」と指揮官が悔やんだシーン。3四死球でもらった絶好機。無得点に終わったことで逆風が吹いた。

 守りも乱れた。九回、1死一、二塁。代打・小笠原の二ゴロ。大和は一走・堂上直が一、二塁間で止まった後、一塁に戻った背中を2歩追いかけた。タッチアウトが無理と判断した一塁送球もそれた。この間に本塁を突いた二走・和田は刺したが、併殺を取れなかったことが最後に響いた。

 4‐6‐3の併殺は難しかったとしても、先に打者走者をアウトにし、その後、一塁走者を挟殺プレーで殺せば無失点でしのげた場面。急造とは言わない。ただ、瞬時の冷静さを欠いたプレーが、勝利を遠ざける一因となった。

 前夜のお返しとなる完封勝利を飾れなかったことで、右肩下がりの曲線を描き始めた打線への不安も加速度的に広がった。「クリーンアップの前に走者が出ないと。得点圏でクリーンアップに回る数が少ないな」。敗北が焦燥感を募らせる。聖地で宿敵・巨人とのマッチアップ。反骨精神をかき立てる材料はある。ただ今は、強気になれない。

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