呉昇桓9戦連続無安打!リリーフ陣万全

 「中日3‐6阪神」(6日、ナゴド)

 石仏が白い歯をこぼした。「この球場に練習から8時間もいるんだから、勝たなきゃダメでしょ!」。笑わない阪神・呉昇桓が興奮気味に振り返り、そして完ぺきに締めたゲーム。あの藤川ですら成し得なかった9イニング“ノーヒットノーラン”の偉業で託されたバトンを守り抜いた。

 延長十二回の攻撃が長引いても関係なかった。ブルペンで捕手を座らせて投げたボールはわずかに3球。マウンドに上がると石直球がうなりを上げた。先頭の大島を内角直球で詰まらせて二飛に仕留めると、続く岩崎も外角直球で左邪飛に打ち取った。

 2死からルナには初球から150キロ超を連発し、最後はやや甘かったものの平凡な中飛。コースが甘くても、タイミング良く捉えられても飛ばない直球。安打を許さなかったここ9試合、自身の代名詞とも言える重いストレートが打たれる気配は一切、ない。

 そこには別の思いも重なっていた。「みんながつないでくれた。正直、記録よりもそっちの方が大事だった」。同点に追いついた直後の九回裏、福原が3人でピシャリと抑えて流れをつくった。

 この流れを昇格したばかりの二神が「投げられるチャンスだったので思い切って」と1回2/3の完全投球で本物にした。野本を打ち取って延長十一回を締めた高宮は「二神も頑張っていたので」と横浜時代の08年以来、6年ぶりの白星。好投した玉置も含め、救援陣の奮闘に「玉置、二神、高宮が良い投球をしてくれた」と和田監督も目を細める。

 JFKの時代から虎のブルペンに伝わる力水の儀式。この日も登板前の投手に仲間たちが祈りを込めて水を渡し、マウンドへ送った。ブルペン総動員で一丸となり、4時間47分の最長ゲームを制したことで生まれる自信‐。そこには間違いなく、1勝以上の価値がある。

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