「ＤｅＮＡ８‐４阪神」（２７日、横浜）

　劣勢を追い上げる姿は見せた。この敗戦が大きな影を落とすこともない。だが頂点を目指すには、わずかなほころびさえ許されない。だからこそ、阪神・和田監督はミスを戒めた。

　「点が取れる雰囲気が出てきたところだったからね…」。序盤の４点ビハインドを１点差にまで詰め寄った中盤、流れは確実に猛虎に傾いた。だが…。

　五回から登板の筒井が押し出しを含む３四球などで崩れ、１死満塁から二塁・上本の本塁送球が乱れる失策も飛び出し計４失点。流れをつかみ損ねた。

　指揮官は「あれだけ四球が多いと話にならないね。（投手陣合計で）１０個か」と苦い表情。ただ、この時点で試合は動いていた。六回の攻撃では１死一、三塁の好機を得る。

　だが鶴岡の三ゴロで飛び出した三走・マートンが、挟殺プレーであっさりタッチアウト。三塁を狙った一走・新井良も憤死し、勝機は一瞬で消えた。

　「点差を考えれば、自重しなければいけない」と和田監督。苦手としていたビジターで２カード連続の勝ち越しとなったが「チェックしないといけないところが出ている。しっかり仕切り直したい」と引き締めた。勝負の時に洗練された戦いを見せるため、今は牙を研ぎ続けるだけだ。