ゴメス激走2安打!ダメ助っ人と違うで
「練習試合、ヤクルト10-4阪神」(18日、神宮)
阪神は18日、神宮球場でヤクルトと練習試合(無観客)を行った。試合には敗れたが、4番・一塁で1軍デビューを果たしたマウロ・ゴメス内野手(29)が、全力疾走で2本の内野安打をもぎ取るなど右膝の不安を一掃。打席では横の揺さぶりへの対応力を示し、開幕4番へ“第一関門”を無事に突破した。
“グシャッ”という鈍い打球音が全力疾走の号砲だった。三塁手前へ転々と転がるどん詰まりの打球を横目に、懸命に一塁を目指したゴメス。ネット裏のスコアラー席から「思ったより速い」という声が漏れる中、1軍初打席で初安打となる内野安打をもぎとった。
一回、2死一塁で迎えた第1打席だった。1ストライクからのチェンジアップにタイミングが合わず、内容的には良くなかったが、右膝の不安を一掃する激走で内野安打に。「何の問題もなく走れた」と語ったように、第2打席でも三遊間への打球を再び全力疾走で内野安打へと変えた。
注目の1軍デビュー戦で期待される長打とは違ったものの、2安打と結果を残したゴメス。確かな兆しも見せた。第2打席、ヤクルトバッテリーが外角の直球、内角のシンカーと横の揺さぶりをつけてきても果敢に食らいついた。連続ファウルで2ストライクとなり、秋吉が投じた3球目、外角ぎりぎりのスライダーへもしっかりと対応し、三遊間のヒットゾーンへ飛ばした。
ネット裏で見守った巨人・森中スコアラーは「思った以上に横の変化についていけていた。この時期の外国人は普通、内角には手を出さないけど、果敢に振ってきた」と分析する。実際にベンチで見守った和田監督も「変化球にもついていけていたと思うし、外角の見極めもできていた」と評した。
新外国人は懐を攻められ、外角の変化球に苦慮するケースが多い。昨年のコンラッドも同様の攻め方をされ、フォークに対応できなかった。この日は落ちるボールはなかったが、逃げるスライダーへの対応力を示したゴメス。「ボールは見えていた。まだタイミングが取れてないけど、打席に数多く立っていけば良い形で開幕を迎えられる」と自信をのぞかせる。
「下半身をつくれば打球も上がってくる」と期待を込めた指揮官。開幕4番へ向け、足踏みを続けていた新助っ人が無事に“第一関門”を突破した。
