呉昇桓155キロ!貫禄の2K無失点

 「練習試合、阪神3-6LG」(25日、宜野座)

 阪神の呉昇桓(オ・スンファン)投手(31)が25日、韓国・LGとの練習試合(宜野座)で九回に登板。1回を1安打、2奪三振、無失点に抑えた。球場の球速表示は不安定だったものの、155キロを記録。投球内容も、虎の新守護神として十分に活躍を期待させるものだった。

 藤井のミットから重い音が響き、歓声が後を追うように巻き起こる。空を切らせ、手を出させない。2三振を奪った11球に「石直球」の片りんをのぞかせた。来日初の対外試合。呉昇桓が、勢い良くギアを上げた。

 「真っすぐで三振を取れたのは良かった。高めで取れるのはバランス良く投げられているから」

 出番は九回だ。先頭から初球を二塁内野安打とされたが、そこからだ。まずは、裵炳玉を高めの直球で空振り三振に仕留めた。続く文善載には初球に変化球から入り、2球目で球場表示で最速155キロを記録。最後は低めの直球で見逃し三振に。2死一塁からの崔敬哲は初球で再び155キロを記録し、2球目で中飛に打ち取った。

 いきなりの155キロは、球場の球速表示が不安定だったこともあってか「スピードは関係ないと思う」ときっぱり。韓国・サムスン時代には最速157キロをマークした剛腕は、それ以上に、打者と「勝負」できたことに意義を見つけた。味方相手で投げづらさのあった20日の紅白戦と違い、「(今日は)意味があった」と振り返る。

 「球場に応援に来ていただいたみなさんが応援してくれて感謝してます」と呉昇桓。この日の登板時、沸いたのは阪神ファンだけではなかった。一塁側、LGのファンからも温かい声援が送られた。

 試合前にはLGの金杞泰監督と話し「日本でも今までのように投げれば全然大丈夫」とエールを送られたという。背負うのは阪神ファンからの期待だけじゃない。韓国を代表して戦う決意が、右腕の原動力となっている。

 和田監督は「もう少し上がってくると思う」と話しながらも、2三振とセットポジションからの力強い直球を評価。今後に向けて一安心の内容となった。

 「キャンプではボールを投げる体をつくってきた。(今後は)バッターと勝負していく。(今の状態は)200%だ」と呉昇桓。手応えは十分だ。ここから徐々に闘争本能を呼び起こす。開幕に向け、右腕のハートが熱を帯びていく。

編集者のオススメ記事

阪神最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング(阪神)

    話題の写真ランキング

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス