和田虎、誤審に怒り一挙5点!Gに5差

 「中日2‐7阪神」(23日、ナゴド)

 誤審に燃えた。阪神・和田豊監督(50)が23日、中日(16)戦(ナゴヤドーム)でマートンの打球判定をめぐって遅延行為による退場処分を受けた。三回2死一、二塁。リプレー映像では明らかに、マートンの打球は右翼フェンスに当たってから右翼・平田のグラブに入ったヒットだったが、一塁塁審の判定はアウト。16分間の中断から再開後、打線が奮起。六回に5点を奪って逆転勝ちを収めた。

 将の退場にタテジマ軍団が燃えた。目を血走らせ、鬼の形相で異議を唱えた和田監督の姿。一枚岩の結束力がより強固になった。絶対に負けられない。いくら恨み、悔やんでも、戻せない時計の針。ならばと男の誇りを盾に白星をもぎ取った。

 血相を変えてベンチを飛び出した。三回、2死一、二塁。マートンが放った右翼後方への大飛球。リプレー映像でも鮮明に映し出された。右翼フェンスに当たってから右翼・平田のグラブに収まった打球。だが、名幸一塁塁審はアウトのジャッジ。審判団に食い下がり、規定の5分を超えても抗議を続けた。遅延行為による監督就任後初の退場。納得できるはずもなかった。

 マートンは二塁ベース上に居残り、無言のアピールを続けた。左翼席から沸き起こったマートンコールの大合唱。監督代行となった黒田ヘッドコーチを中心に、首脳陣はなおも審判団に詰め寄った。不可解な判定と説明。黒田監督代行の指示で全選手が三塁側ベンチに引き揚げた。ペナント終盤。この一戦が握る意味の大きさを態度で表した。

 ただ、ファンあってのプロ野球。ボイコットの手段は選べない。三塁側ベンチ内で、黒田監督代行、峯本チーム運営部長が選手に語りかけた。「気持ちを切り替えて、今日の試合を勝とう!」。16分間の中断を経て、戦場に戻った猛虎の心はひとつに固まっていた。

 0‐2の六回、ベンチ前で組まれた円陣を合図に反撃が始まった。6安打、打者11人の猛攻で一挙5点を奪い逆転。七回にも抗議の際にベンチ前で珍しく語気を荒らげていた代打・桧山が、ダメ押しの2点適時二塁打。ひとつの判定を機に、さらなる反骨心が生まれた。

 「勝ってくれてありがとう」。和田監督は試合後、関係者全員を集めて、指揮を放棄した事実をわび、執念の勝利に頭を下げた。「早い回にいなくなって申し訳ない。だけど、選手は最後まであきらめず、粘り強く戦って、よくひっくり返してくれた」と労をねぎらった。

 不屈の勝利。5試合を残して4年ぶりに真夏のロード勝ち越しを決めた。5差。貯金は今季最多の15を刻んだ。虎将の退場に燃えた心の炎。簡単には消えない。逆転Vへの原動力となる。

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