能見、無念の降板…左太もも血のあと

 「阪神2-1ヤクルト」(16日、京セラ)

 血染めのユニホームが苦闘を物語る。同点で迎えた八回2死、走者3人を残しての降板。募る無念をかみしめ、ベンチに下がる阪神・能見の左太ももには、何度もぬぐった血のあとがあった。

 3日の巨人戦(東京ドーム)で左手薬指を負傷して出血。この日の負傷箇所には「問題ないから」とだけ話し、詳細は明かさなかった。チームのサヨナラ勝利に「今日は勝てて良かった」と笑顔を見せた。

 能見自らが交代を申し出たようにも見えたが、中西投手コーチは「あそこは目いっぱいやろ。『安藤に代えるぞ』と言った。(交代は)アクシデントが原因ではない」と否定。「次の登板に影響はない」と説明した。和田監督も「今日はあそこが限界」と話した。

 序盤から苦しい投球だった。二回にバレンティンに先制ソロを浴び、毎回のように窮地を招く。それでも3併殺を奪うなど要所を締めて追加点を許さず、7回2/3を5安打5四球の1失点。「できることはしないといけないから」。7月9日以来となる9勝目はならなかったが、エースが粘投で劇勝を呼び込んだ。

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