西岡、志願のスタメン復帰でトドメ打
「広島0-4阪神」(7日、マツダ)
大きな、大きな、適時打だった。1‐0の九回。阪神・坂の一打で追加点を挙げ、なおも2死満塁の好機で、西岡の打球が水をふくんだ左翼の芝で弾んだ。ミコライオの152キロを流し打ち、2者生還。リードを4点に広げ、3タテを確実にした。
「いい追加点がとれた」。試合後、バスの前で取材に応じたリードオフマンに、まだ100%の活気はなかった。万全でなくとも、ここぞで仕事ができた。その充実感だけが、病み上がりの表情を穏やかにさせた。
八回まで快音は響かず打席の数だけ首をひねった。だが、前田健と対峙(たいじ)した3打席は、感触が無いわけではなかった。速球を引っ張った三回の二直、変化球を流した五回の遊直はいずれも紙一重。数センチの差で野手の正面をつき、「いつになったら、間を抜けてくれるのかなと思っていた」。結果を伴う1本が5打席目に生まれたことで、そんなストレスも晴れた。
「試合が始まる前からチーム全員でやり返すと言っていたんでね」。この試合までで、3試合23イニング無得点に封じられていた難敵から奪った勝利。西岡らしく「一丸」を強調した。
「きょうも体調は万全じゃなかったんだけど、志願して『行きます』ということだったんでね」と、和田監督は3試合ぶりにスタメンで起用した内情を明かした。5日のカード初戦を体調不良で欠場した。静養を余儀なくされたが、前試合も代打で決勝四球。病み上がりでも連日、存在感は際立った。
