藤浪“格下”に3失点も26日先発GO

 「育成試合、阪神10‐4四国ILp選抜」(21日、鳴尾浜)

 背中と腰の張りで11日に出場選手登録を抹消された阪神のドラフト1位・藤浪晋太郎投手(19)=大阪桐蔭=が21日、鳴尾浜で行われた育成試合・四国ILp選抜戦で実戦復帰。先発登板し、結果は3回5安打3失点と不安を残したが、直球の最速は151キロを記録するなど手応えは得た。首脳陣は、予定していた26日の日本ハム戦(甲子園)先発にGOサインを出した。

 マウンドで思わず首をかしげた。決め球カットボールを捉えられた打球は、深々と左中間を抜けた。藤浪が死球を挟んで3連打で3失点。まさかの光景に、満員で立ち見となった鳴尾浜球場がざわついた。

 予定イニング最終回の三回、2死からだった。村上、藤長に連打、金城に死球を与え、満塁のピンチ。ここで続く河田にカウント1‐1から走者一掃の二塁打を浴びた。

 他の2軍選手と同様、ストッキングを見せるオールドスタイルで臨んだ復帰登板。“格下”相手に3回5安打3失点と不安を残す結果となった。それでも5三振を奪い、直球の最速は151キロをマーク。藤浪は一定の手応えを口にした。

 「バッターの感覚をつかめたし、悪くなかったと思います。しばらくバッターに投げていなかったので、感覚のズレがあったのは確かです」

 5日のヤクルト戦(甲子園)以来となる先発マウンド。初回は直球で2三振を奪う好スタートを切った。二回には2安打を浴びたが、ファウルを放った屋宜のバットを自慢の剛球でへし折るなど、所々で“らしさ”も見せた。

 「フォーム的にはちょっとまだまだだな」

 千葉からとんぼ返りで駆けつけた中西投手コーチも苦笑いした。1軍復帰戦として予定されている26日・日本ハム戦での先発について問われると「別の人間が投げる」とブラックジョークが飛び出すほど。それでも「実戦の中で徐々に上げていく。キャンプからオープン戦にかけても、そうやってやってきた。結果うんぬんの投手じゃない」と全幅の信頼を寄せ、GOサインを出した。

 故障明けのマウンドで収穫もあった。背中から腰にかけて発症した張りの影響は全くなし。藤浪が「それはもう関係ないです」と言い切ると、鎌田トレーナーも「全然問題ないです」と太鼓判を押した。

 「多少、フォームのばらつきもありましたし、ベストの状態ではないので、その辺りを次の登板に向けて修正していきたいと思います」

 藤浪は試合後、ノーネクタイのクールビズで、千葉に向かった。今後は25日にブルペンに入り、26日の復帰戦先発に備える。高校時代、しのぎを削った日本ハム・大谷との再戦。プロでの新たなライバル対決が幕を開ける。

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