西岡開幕猛打ショー!今年の虎はツヨシ

 「ヤクルト3-9阪神」(29日、神宮)

 開幕戦5連勝!これが2013年版猛虎打線や。けん引するのは阪神に移籍の西岡剛内野手(28)、初回先頭安打を皮切りにいきなりの猛打賞で強烈な虎デビュー。西岡に導かれるように打線が爆発。開幕戦では75年前の球団記録に並ぶ17安打の猛攻でヤクルトを圧倒した。

 二塁塁上で右拳を振り上げた。西岡に降り注ぐスポットライトが、背番号7の輝きをより一層、際立たせた。3年ぶりの日本復帰開幕戦でダメ押しの右前2点打を含む3安打猛打賞。野球ができる喜びを全身で表現しながら走り回ったスピードスターが、和田阪神を“猛虎”へ変えた。

 初回の第1打席。館山が投じた3球目、146キロの直球をきれいに中前へはじき返した。試合前、和田監督から「出塁せよ!」とプリントされたTシャツを手渡され「余計に重圧がかかりました」と苦笑いで振り返った。新井良の二ゴロ失策間に先制のホームを踏むと、続く二回の第2打席でも中前打を放った。

 トドメは1点を勝ち越した直後の七回2死二、三塁。松岡にカウント2‐2と追い込まれたが、決め球の内角カットボールをうまく腕をたたんで振り抜いた。「新井さんが気持ちで打ったのを見て、自分も気持ちで打った」とダメ押しの右前2点打。躍動する西岡が起爆剤となり、開幕戦では戦前の1938年秋季以来、球団タイ記録となる17安打を放ってヤクルトを粉砕。指揮官も「よーい、ドンの安打で雰囲気が変わった」とヒーローを称えた。

 華やかなプレースタイル、ファンの興味を引きつけるスター性を持つ背番号7。だが彼の野球人生には常に、“挫折”の2文字がつきまとう。中学3年時、あこがれだったPL学園のセレクションを受験したが、不合格を言い渡された。02年のドラフト時には意中の球団から話があったにもかかわらず、指名されることはなかった。

 ロッテで不動のレギュラーをつかんでも「(評価を)見返したい。将来、後悔してもらえるような選手になりたい」と言った。事実から目をそむけず、重い十字架を背負うことで強くなってきた。誰にも負けない技術、有無を言わせぬ力を身につけていった。

 度重なる故障と不遇に泣かされたツインズ時代。不退転の決意で日本に戻り「賛否両論あったと思うけど、みんなが応援してくれた。感謝ですし、感動しました」と試合後、声を震わせた。神宮のファンに「必死のパッチで頑張ります!」と絶叫で応えた男は、まだまだ強くなれる。異国での挫折も乗り越えられることを、3本の安打が証明している。

2023-11-05
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