大和V打!いきなり大暴れ4安打発進

 「ヤクルト3-9阪神」(29日、神宮)

 つかんだ場所は決して放さない。「とにかく目の前のことを考えて、ぶっ飛ばして行きたい!」。阪神・大和が宣言通り、いきなり5打数4安打と超全開の大活躍。虎に2013年の初勝利をもたらした。

 ハイライトは同点とされた直後の六回。2死一、三塁からヤクルト2番手・平井が投じた内角直球を詰まりながら三遊間へ運ぶと、遊撃・森岡のグラブをはじき左前への決勝適時打となった。

 「何としても点が欲しい場面で打てて良かったです」。チームに漂い始めた暗雲を、ひと振りで払った一打。塁上で「思わず出てしまった」というガッツポーズと浮かべた満面の笑み。それが価値の大きさを物語った。

 「初めてなので緊張していた」という開幕スタメン。その呪縛(じゅばく)を解いたのは西岡だ。試合前セレモニーで「緊張してるのか?いつも通りやれよ」と声を掛けられ、肩の力が抜けた。

 初回無死一塁。館山のフォークをたたいた、一塁線へのボテボテのゴロが、投前内野安打となり2点先制の起点を作ると、徐々に自身へ流れを引き寄せていった。

 「去年までとは立場が違う。責任感と危機感を持っていく」。昨季は自己最多の128試合に出場。WBC期間中には、内外野を守れる大和の代表入りを望む声が侍首脳陣から挙がるほど、存在感は高まっていた。だからこそ、さらなるレベルアップが要求される。

 オフにパワーをつけるため、4キロの体重増に成功。オープン戦は2番に固定され打率・304を残した。「作戦の中で、いろいろなことができた」と充実感をにじませ、26日のオープン戦終了後には「盛り上がっていますよ!」とテンションも最高潮に達した。

 「結果が良くなければ、すぐ代えられる。最後まで1本を狙った」。九回の打席での右前打は、その成長の証しだ。盗塁死などミスもあった。それならば打って存在感を示す。大和の“波動砲”は、昨季までとスケールが違う。

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