新井、開幕黄信号…1軍復帰メド立たず

 右肩後方関節唇(しん)損傷からの復活を目指す阪神・新井貴浩内野手(36)が、開幕までに1軍への合流が厳しい状況であることが1日、明らかになった。今季の4番を期待されながら、宜野座キャンプ中に背中を痛め、2月19日から2軍再調整中。患部の回復具合など、開幕へのメドが立っていない状態となっている。

 虎の4番を期待された男が、開幕に間に合わない可能性が高まった。現在の新井の状態を、球団関係者は「右肩だけでなく、キャンプ中に背中も痛めている。(1軍復帰の)メドは立てられない状況」と明かした。

 新井は昨季痛めた右肩の影響で、2月の宜野座キャンプは別メニュースタート。順調な回復を見せていたが、背中の痛みを訴えて打撃練習を回避するなどもあり、同19日から安芸の2軍キャンプへ合流。1軍復帰へのリハビリを続けていた。

 2軍行き決定後も、和田監督は「もう一回万全にしてもらう。前向きな安芸行きです」と話し、4番候補の復活に期待を懸けていた。だが、球団関係者は「まだ2軍本隊にも合流できていない。回復後も下での試合に2、3試合は出てからでないと(1軍へ)合流できない」と説明した。

 開幕まで、1カ月を切った。ここからフルメニューでの2軍練習に参加できるまで回復し、ファームで数試合での調整を強いられるスケジュールでは、開幕1軍に間に合う可能性は低い。

 ここまでの対外試合では全9試合で弟の新井良が4番に座り、打率・342、8打点と結果を残し続けている。さらに2月17日の楽天との練習試合(宜野座)以降は新井良を、それまでの三塁から一塁、コンラッドを三塁に固定し、新井不在の場合を考えたラインアップを試してきた。

 その上で、和田監督は「試したいこともある」と話すなど、新井良に加えてマートンや鳥谷の4番プランまで浮上。それも4番候補の最有力だった新井離脱に際し、危機管理として様々な可能性を模索している結果だ。

 オープン戦を含めた対外試合9試合では、チーム打率・320。好調な姿を見せ続ける打撃陣だが、4番としての実績十分な新井が開幕に間に合わないことが濃厚な中で、今後の実戦でも打順を含めた攻撃パターンを試すことになりそうだ。

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