日馬、全勝Vで花!さぁ“白馬”時代へ
「大相撲秋場所千秋楽」(23日、両国国技館)
大関日馬富士は横綱白鵬を下手投げで破り、2場所連続4度目の優勝を飾った。貴乃花以来の連続15戦全勝での横綱昇進を確実にした。国技館に来場した元横綱朝青龍のドルゴルスレン・ダグワドルジ氏(31)、故郷モンゴルから来日中の家族の前で晴れ姿を見せた日馬富士。亡き父へ、そしてファンに対し、5年ぶりに誕生する第70代横綱としての誓いを新たにした。
結びの一番。1分47秒の大熱戦を制した日馬富士は、感極まって額を土俵に押しつけた。「土俵の神様に、ありがとうという感謝の気持ちです」。右まわしを許す劣勢。左を巻き替え頭をつけ、耐え抜いた末の右下手投げ。もつれ合いながら横綱を裏返しにした。
夢に見た横綱が確実になった。夏場所後の今年5月、次女ヒシゲジャルガルちゃんが誕生。「ヒシゲ」はモンゴル語で「運が強い」、「ジャルガル」は「幸せ」の意味を持つ。夏場所千秋楽からの連勝は31に伸びた。負け知らず。ケガに苦しんだ大関に、文字通り運と幸せをもたらした。
国技館で歓喜したバトトール夫人は「最近は家にいることが増えた。子供と遊んでご飯を食べている」と明かした。焼きうどんなどの愛妻料理、子供の笑顔。心を癒やし力の源となった。大関はこの日も午前10時までぐっすり眠ったという。
報告したい人に「父」と答えた日馬富士。モンゴルから駆けつけた母ミャグマルスレンさんは「最高位で重い責任をもつから頑張れ、と言ったと思う」と、06年に50歳で急逝した父・ダワーニャムさんを代弁した。
警察官だった父の影響で社会貢献活動にも積極的な大関。「父が喜ぶのは正しい生き方をすること。優勝するしないより、出世するしないより、それを胸に刻みたい」。駄目押しなどで誤解されがちな男だが、父の教えがある限り、道を踏み外すことはないだろう。
優勝インタビューで「皆さんに感動と勇気、希望を与える相撲を取ります」と力強く宣言した。24日の横綱審議委員会、26日の臨時理事会後の伝達式を経て、第70代横綱が誕生する。皆がその勇姿を心待ちにしている。
