ハリルJ大勝も…セットプレーを考察

 「W杯アジア2次予選、アフガニスタン0-6日本」(8日、テヘラン)

 日本がゴールラッシュでアフガニスタンに大勝した。前半10分にMF香川真司(ドルトムント)が決めた先制点が結果としてイレブンに余裕をもたらした形となったが、試合を通じてセットプレーから直接生まれた得点はなし。バヒド・ハリルホジッチ監督が3日のカンボジア戦後に「改善しないといけない」と語っていたFKやCKはどのようなものだったか、主なシーンを振り返る。

 この試合の2点目、前半35分に決まったDF森重真人(FC東京)のゴールはCKから一度後方に下げて、ロングパスがきっかけとなり生まれたものだった。

 直接ゴールに向かう形で最も得点の可能性を感じさせたのは、MF原口元気(ヘルタ)の突破で獲得した前半45分、左サイドでのペナルティーエリア付近でのFKだ。香川がクロスを上げると見せかけて逆サイドのFW本田圭佑(ACミラン)へ。本田は一度ポジションを下げてから回り込むようにシュートを放ったが、惜しくもGKにキャッチされた。

 試合開始早々、前半1分の左CKも惜しかった。FW岡崎慎司(レスター)がニアサイドでコースを変え、中央でDF森重が頭で合わせた。相手GKにキャッチされてしまったが、決まっていれば、さらに楽に試合を運べていただろう。前半19分にも本田が蹴った右CKで岡崎が頭ですらして、DF吉田麻也(サウサンプトン)、森重が飛び込むというシーンがあった。

 後半に入るとリードを広げていったということもあったのか、工夫を凝らしたセットプレーはなかった。7分、23分のCKは中央にシンプルに入れるもので、ゴールには至らなかった。また、41分には本田が得意な正面からやや右寄り、約20メートルの位置で直接FKを狙ったが、鋭く曲げて落としたシュートは若干、威力が足りずGKにかき出された。

 今回、ハリルホジッチ監督は空中戦に強いタイプのFWを選考しておらず、どうしてもボールを下げたり、誰かがコースを変えたりするなどの“一工夫”がないと、得点機になっていないことが分かる。吉田や森重が攻め上がる以外、相手に脅威を与えられる高さのある選手がいれば、さらにバリエーションを加えられるはずだ。

 この日は、香川の早い時間帯での先制点があり、戦術的にも精神的にも優位に試合を進められたが、スコアレスドローに終わったシンガポール戦のような事態はすでに体験済み。次戦、10月8日に当たるシリアはハリルホジッチ監督も「恐らく(2次予選の)グループで一番強いのがシリア」と警戒する相手だ。セットプレーからも点を取れるチーム編成が求められる。

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