「J2、横浜FC2-3磐田」(5日、ニッパツ)
カズ、Jリーグ最年長ゴール-。横浜FCの元日本代表FW三浦知良が磐田戦に先発し、0-0の前半14分に右クロスを頭で合わせ今季初ゴールを挙げた。自身が持つJ最年長得点記録を48歳1カ月10日に更新。カズのゴールは13年11月3日の松本戦以来、約1年5カ月ぶりで、「カズダンス」も披露した。試合は2-3で逆転負けした。
伝説は生きていた。前半14分、右サイドの小池がセンタリングを上げる寸前、エリア内のカズは鋭く1メートルほどバックステップをした。相手マークの背後を取り、頭で飛び込んだ。ゴールを見届け、少年のような笑顔でカズダンスをした。
518日ぶりのゴール。得点したらやろうと決めていたダンスも、公式戦では518日ぶりだった。「キャンプの時からゴールを意識してやろうと思って、前向きにやってきた。幸せな瞬間。あの一瞬にかけて勝負していますから」と振り返った。
昨季は左足付け根痛による出遅れが響き、出場2試合で無得点。巻き返しを誓った今季へ向け、昨年末と年明けに2度のグアム自主キャンプを敢行した。効果は十分で、2月26日の誕生日には「体調はここ数年で一番いい」と語るほど。開幕戦から先発し、第2節では惜しいヘディングも放つなどゴールへの期待感はあった。
磐田戦は前日から突如、体の張りに悩まされ、今季で「一番不安を抱えていた」状態だった。「勤続疲労なのかな?」とも漏らした。いつもは引退論について尋ねられても「夢から覚まさせないでよ」と切り返すが、この日ばかりは「今日が最後、そういう気持ちでやろうといつも思ってプレーしている」と口にした。
息をのんだ報道陣に、「終わらないですよ」と続けたが、年を重ねるごとに1試合にかける思いを強めているのは事実。この試合でも、前半終了間際に味方が倒れているのに中途半端にプレーを続け、ロスタイムに磐田MF小林の約40メートルのFKを呼び込んだことを「はっきりしたプレーをみんなにさせればよかった」と猛省した。
得点への、そして勝利への意欲は衰えていない。「次は自分のゴールで勝ちたい」。プロ30年目のキングは自らを奮い立たせた。