岡田メソッド今治から日本サッカー改革

 サッカー元日本代表監督の岡田武史氏(58)が、四国リーグに所属するFC今治のオーナーに就任した。すでにチームの練習や施設の視察を終え、7日には愛媛県庁に中村時広知事を表敬訪問。将来のJ1昇格だけではなく、世界を見据えた壮大な経営プランを熱く語った。

  ◇  ◇

 -多くのクラブがある中、なぜFC今治を選んだのか。

 「トップチームから育成年代まで、全員が同じ哲学とプレースタイルを持つチームをつくりたいと思った。『岡田メソッド』と呼んでいるんですが、それをどこでやるかと考えたとき、FC今治が頭に浮かんだ」

 -Jリーグのクラブではなく?

 「J1、J2からも全権を任せるという条件でオファーをもらっていたが、そういうクラブだと一回、全部をつぶさなければならない。それにはエネルギーがいる。FC今治なら、一からチームをつくれると思い立った。(FC今治のスポンサー)『ありがとうサービス』の井本さん(井本雅之社長)が大学の先輩で、面白いんじゃないかと思って電話した」

 -それがいつごろ?

 「ブラジルW杯が終わったあとですね。W杯のあと、日本のサッカーはこの先どうするべきかと考える中で出てきたこと。根底には、若い人たちに夢や希望を持てる社会を残さないといけないという思いがある。財政赤字1000兆円とかではなく、高度成長期という最高の時代を生きてきた人間として、子供たちに残していくものを考えないといけないなと。自分にできることは、サッカーで何かを変えることだと思った」

 -地方の活性化にもつながる?

 「グローバル化の波の中で地方が生き残るには、まず人が集まらないといけない。町を見たらいろんな国の人がいて、お祭りをしているような」

 -オーナーとしての目標は?

 「10年後にJ1で優勝争いができるチームにしたい。そのためには、(年間予算)20億円くらいのクラブにしなければならない。そこは段階的に計画している。そして、FC今治のサッカーが日本代表のサッカーになるように、ウチから5人くらい代表選手を出したい。たとえばスペインのサッカーは、5人以上の代表選手を出しているバルセロナのサッカー。同様にドイツのサッカーはバイエルンのサッカー。今治をそういうチームにすることが夢」

 -ACL(アジアチャンピオンズリーグ)も目標になる?

 「もちろん。日本がアジアで勝つこと。そして我々のノウハウをアジア全体がパッケージで吸収して、アジア全体のレベルが上がり、欧州や南米に接近する。そういう妄想をしてます(笑)」

 -プレースタイルは決まっている?

 「それは秘密(笑)。ブラジルW杯のあと、ポゼッションのサッカーは終わったと言われた。でもポゼッションのサッカーをやめたら日本は勝てなくなるという確信が自分にはある」

 -愛媛県は野球は盛んだが、サッカーはまだ根付いているとはいえない。スポンサー獲得や観客動員の面で不利では?

 「サッカーどころでお客さんが入っても面白くないでしょう。こういう場所でお客さんを入れることにやりがいがある。魅力あるコンテンツで魅力ある経営をすれば、絶対に来ていただけると思う。自分の仕事はスポンサーを取ることがメーンで、あちこち飛び回ることになる。今治という地域を大事にしながら、東京やアジアからも資金を集めたい。実際に中国の会社が1社、ついてくれている」

 -愛媛にはJ2の愛媛FCがある。2つもJクラブはいらないという意見もあるが。

 「そこは意識していない。先に愛媛FCにJ1に上がってもらい、今治が後から追いつく。J1でダービーマッチができれば最高じゃないですか」

 -今治に来て、楽しみは?

 「余裕があれば行ってみたいところはたくさんある。しまなみ海道を自転車で渡ってみたい。四万十のあたりにも行ってみたい。温泉めぐりもいいかな」

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