スペンスがマイキーにフルマーク判定勝ち 試合後パッキャオに対戦オファー

 「ボクシング・IBF世界ウエルター級タイトルマッチ」(16日、アーリントン)

 全世界注目の全勝対決が16日(日本時間17日)、米国テキサス州アーリントンのAT&Tスタジアムで行われ、王者エロール・スペンス(29)=米国=が3-0(120-107、120-108×2)の判定で、5階級制覇を狙ったWBC世界ライト級王者の“マイキー”ミゲルアンヘル・ガルシア(31)=米国=を退け、3度目の防衛に成功した。

 スペンスが24戦全勝(21KO)、ガルシアが39戦全勝(30KO)と負けを知らない両者の激突。NFLカウボーイズの本拠地に4万7000人を超える観衆を集めたビッグマッチは、体格差が大きなカギを握ると考えられた。ナチュラルなウエルター級のスペンスに対し、ガルシアはフェザー級から階級を上げてきた選手。現在では2階級下のWBC世界ライト級王座を保持する。ウエルター級での試合も今回が初めてだった。

 大型サウスポーのスペンスに対し、ガルシアは前に出ながらインサイドのパンチを狙う。しかしラウンドが進むごとにスペンスがパワーを生かして押し込む場面が増える。重いジャブから左を上下に打ち分け、9回と11回にはダウン寸前まで追い込む。ダウンこそなかったが、手数でも圧倒したスペンスが満場一致の判定で全勝をキープした。

 1ポイントも失わないフルマーク勝利を決めたスペンスはリング上で、試合を観戦したWBA世界同級王者のマニー・パッキャオ(フィリピン)の祝福を受けた。スペンスが「マニーは素晴らしいレジェンド。ぜひ対戦したい」と呼びかけると、パッキャオも「いいですよ。ファンが望むことをしましょう」と笑顔で応えた。

 一方、敗れたガルシアは「エロールは本物。ジャブに苦しみ、リズムがつかめなかった。微調整しようとしたが、できなかった。また王者になるため戻ってくる」と完敗を認めて再起を誓った。計量こそウエルター級に合わせたが、実質“2階級差”があった一戦。マイキーの技術でもこれを覆すのは難しかった。

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