【コメント】興毅、引退撤回「男として生きてきた限りは強い選手と戦いたい」
ボクシング元世界3階級制覇王者の亀田興毅(31)=協栄=が5日、後楽園ホールで1日限りの現役復帰としてスパーリング形式の“引退試合”を行い、元WBC世界フライ級王者のポンサクレック・ウォンジョンカム(40)=タイ=に“TKO勝ち”した。試合後、引退のテンカウントゴングを行ったが、その最中で引退を撤回。元世界4階級王者のローマン・ゴンサレス(30)=ニカラグア=との対戦を熱望した。以下、テンカウントゴングからの興毅のコメント。
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(引退を告げる十点鐘が打ち鳴らされる。その直後に)
「ちょっと止めてくれますか。ちょっと止めてくれますか」
(テンカウントゴングが中断される)
「すいません。申し訳ないです。サプライズとかじゃないです」
(場内ざわつく)
「ちょっと静かにしてくれますか。こうして最後ゴング聞いていたらねえ、往生際悪くて、申し訳ないんですけど。やっぱり、自分ボクシングしかないんですよね。一番初めに、2人戦いたい相手いると。2人どっちでもできたらいい。その中でポンサクレックという偉大なチャンピオンとできた。すごくうれしいんですけど、やっぱりあともう1人。こんな状況ですごい失礼ですけど、やっぱりどうしても自分にうそつけないなと」
(観客も引退撤回の雰囲気を察知し始める)
「すごく申し訳ないんですけど。この選手は現時点ですごく強い選手で、まだまだ復帰したばかりの自分の体でかなう相手ではないんですけど。この選手だけ、どうしても拳を交えたいんですよね。それでしっかりと自分も花道を飾りたいなと」
(場内騒然)
「やっぱりボクサー亀田興毅、男として生きてきた限りは強い選手と戦いたいんで。今、世界で一時、一番強いチャンピオンと言われて、軽量級で、パウンド・フォー・パウンドにもなったといわれる選手と実現することはすごく難しいんですけど」
(少し間を置いて)
「その選手は、ローマン・ゴンサレスという選手がいてはるんです。その選手と、どうにか拳を交えたい。でもこれは自分の力でどうかなる相手ではないです。皆さんの力が必要です。どうにか実現できるよう皆さん、もしよろしければ力を貸していただければと思います」
(拍手が起こる)
「申し訳ないです。これだけのかたちまでつくっていただいたのに往生際悪くて。本当申し訳ございません。亀田興毅、『ラスト亀田興毅、最後の現役復帰プラスワン』。ローマン・ゴンサレスと拳を交えることがあるんであれば、最後拳を交えてそれで自分は完全に引退します。それが実現できないんであれば、次のどこかの機会でしっかりと静かに引退していきたいと思います。すいません皆さん。ありがとうございました」