ヒデオ・イタミNXT日本公演直前インタビュー リングネーム候補には『骨折』も
世界最大のプロレス団体WWEの第3ブランドであるNXTが初の日本公演「NXT Live Japan」(3日、エディオンアリーナ大阪)を開催する。それを2日後に控えた1日、かつてノアでKENTAのリングネームで活躍したヒデオ・イタミ(35)が都内でインタビューに応じ、日本公演へ向けた現在の心境、リングネームにまつわる秘話などを語った。
イタミは14年9月にNXTでデビューしたが、15年5月に肩を負傷して長期欠場となり、今年6月に復帰したものの、10月に首を負傷して再び長期欠場。今公演での復帰を目指していたものの間に合わず、試合は組まれないが、当日は姿を見せる予定だ。
◇ ◇ ◇
-現在の状況は。
「首のケガでまた少し休まざるを得なくなって、本来であれば今週のNXTの大阪で試合がしたかったんですけどかなわず、楽しみにしてくれていた人にはちょっと申し訳ないなあという気持ちですね」
-まだ時間がかかるのか。
「そこまで長くはかからないと思っているんですけど、首は慎重にならざるを得ない場所なので、どれぐらいかと言うのはちょっと分からないですね。ドクターと相談してという感じです」
-当日はどうするのか。
「それも含めて楽しみにしていただければ」
-サプライズもあるか。
「あるかも知れないし、ないっていうサプライズもあるかも知れない(笑)」
-WWEに出場する日本人選手が増えたが、どう受け止めているのか。
「正直、そこに入っていけない、ケガでそれを見ているだけっていうのは悔しいですよね。肩をケガして、悔しさを抱えながらそれを見ていて、ようやく復帰して、その輪に加わっていかないといけないという矢先に、また首のケガなんで…」
-ケガで休んでいる間の心境はどうなのか。
「日々違うと言うか、ポジティブな日もあればネガティブになる日もあったり、浮き沈みの激しい日々ですね」
-ネガティブになったときは何かするのか。
「海に行って、夕日を見て、ギターを弾いて…、そんなことはしないですけど(笑)、でも、日々を過ごすだけでしたね。特別何かをしたってことはないですけど、(リング上で)何もできていないという意味ではネガティブになりがちでした」
-今後の巻き返しはどう考える。
「1日でも早く復帰して、戦いの最前線に復帰していかないといけないな、という思いですね。まあ、あせらず(ケガを)治そうとは思いますけど、ゆっくりもしていられないので」
-次の機会こそ凱旋試合をしたい。
「できたらいいですね。ただ、日本で試合をすることがゴールという訳ではないので、早く復帰して、しっかり自分の居場所を確保して、次に日本公演があれば、そのリングに立ちたいですよね」
-目標は?
「これだけケガが続いてしまっているので、本当に身近な目標になっちゃうんですけど、先のことよりもまずは一日でも早く復帰すること。それから、さっきも言ったように、自分の居場所を確保して、遅れを取り戻すことが最初ですね」
-11月28日には元ノアの永源遥さんが亡くなられた。
「いろんな方からメールが来たり、あとはネットで流れてくるんで、そう言うので知った。しばらくお会いできていなかったので、実感がわかないというか、特に永源さんはいつも元気っていう印象で、いつもみんなに声かけてっていうのがあるので、最初聞いたときは信じられなかったですね」
-面倒見のいい方だったとの声をよく聞く。
「ボクは新弟子の頃から『あんちゃん、あんちゃん』って声をかけてもらって、いつも気にしてくれていましたね。いつも誰かに電話してる印象がありました」
-今回の来日で会う予定はあったのか。
「なかったです。会う可能性はあったかも知れないですけど、今回じゃないにしても、いつか、こっちでしっかり結果残してお会いしたかったですね。活躍することが喜んでもらえると思うので、そういう面でもしっかりしないといけないなと思います」
-話は変わるが、リングネームがイタミ・ヒデオになった経緯は。
「どういう経緯なんですかね(笑)。イタミは『痛み』ですよね。ヒデオはヒーローという意味なんでしょうね、英雄と書く」
-希望したのか。
「いやあ、名前をつけるときには本当にいろいろありましたね」
-いろんな候補があったのか。
「ありました。外国人は、これは日本語でこの意味って言うか…、シャドーなら『影』とかそういう感じですね。あと、『刀』とか。それで、ペインだから痛みですね。でも、影って…ねえ。『骨折』とかもありましたね。『コーッセツー』って(アナウンスされたら)おかしいでしょ(笑)」
-そんな中でヒデオ・イタミになった。
「落ち着くところに落ち着きましたね」
-気に入っている? 「気に入ってないです(笑)いや、気に入っています」
-英語の方は大丈夫か。
「大丈夫じゃないですね。生活するのはなんとか片言でやってる感じですけど、難しいですね、言葉って言うのは」
-WWEで英語は重要だが。
「なんとかしないといけないんですけど、こればっかりは急に進化するものでもないですし…」
-勉強はしているのか。
「パフォーマンスセンター(WWEの練習施設)で英語の授業もあるのでしていますけど、難しいのは難しいですね。行った当時よりはしゃべれていると思うんですけど」
-日本とアメリカのプロレス、ノアとWWEの違いで苦労したことは。
「やっぱりスタイルですよね。自分がKENTAとして日本でやってきたものを、ヒデオとしてどう昇華していくのか、まだ揺れ動いている感じですね。そこが一番難しいですね」
-KENTAをリセットする?
「そういう思いでいたんですけど、結局は今までやってきたことなのかなとも思ったりして、その辺はまだ模索している段階ですね。次に復帰するまでには頭の中でこれだというのを見つけないといけないなと思います。なんとなく自分の中ではこうなんだろうなっていうものは見えているので、それが合ってるのか合ってないのか分からないですけど、それで勝負してみたいと思いますね」
-ずっとやってきたことを変えるのは難しいか。
「もうちょっとできるものかなと思っていたんですけど、やっぱり難しいですね」
-いずれは本当のヒデオ・イタミが見られるのか。
「見られると…思います。そうでないといけないと思います」