“タイソン”太尊康輝、東洋王座奪取 技巧派王者を打ち負かす

 王座を奪取して枝川会長(下)に肩車されて喜ぶ太尊康輝=住吉スポーツセンター
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 「デイリー後援・ボクシング・東洋太平洋ミドル級タイトルマッチ」(23日、住吉スポーツセンター)

 六島、森岡ジム合同興行「5大タイトルマッチ」が大阪・住吉スポーツセンターで開催され、東洋太平洋ミドル級タイトルマッチでは挑戦者で同級1位の太尊康輝(23)=六島=が3-0の判定で王者のドゥワイト・リッチー(オーストラリア)を破り、王座を奪取した。

 “タイソン”の強打が爆発した。序盤からポイントをリードして、王者に焦りが生じ始めた8回、最短距離を射貫く左ショートストレートで豪快にダウンを奪った。9回以降も的確に左ストレートを当ててポイントをピックアップ。ここまで18戦14勝(1KO)4無効試合という不敗の技巧派王者を判定で明確に打ち負かした。スコアは1人が115-112、2人が116-111。

 自身11勝目で初めての判定勝ち。「KOを見せたかったけど、会場を沸かせることができてベルトも来たので良かった。技巧派と言われる王者に判定で勝つことができた。成長できた」と新王者は納得の表情を浮かべた。

 1年前の屈辱が成長の糧となった。昨年11月、柴田明雄(ワタナベ)の持つ東洋太平洋&日本同級王座に自信満々に挑んだが、7回TKOで完敗。パワー一辺倒のボクシングの限界を知った。冷静に試合を進める「心」、コンパクトにパンチを打つ「技」を得たことでタイトル奪取につながった。

 WBC世界同級12位にランクされるリッチーを撃破したことで世界ランク入りも期待できる。「まずは初防衛。今まで以上に集中して勝負していきたい」。タイソンの進撃がここから始まる。

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