「全日本」（６日、後楽園ホール）

　全日本プロレスの秋山準社長が６日、諏訪魔に対するＩＧＦの対応に不快感をあらわにし、諏訪魔が熱望する藤田和之戦に関して「オレ（の中で）はない」とコメントした。５日にＩＧＦの大阪大会へ来場した諏訪魔は、藤田から挑発を受けた後、６日の全日本・後楽園大会のチケットをサイモン・ケリー猪木取締役に預けた。しかし、一夜明けたこの日、藤田の姿はなかった。

　秋山社長は「（諏訪魔が）けんかしに行ったのに、（相手は）する気がないのかどうなのか。諏訪魔が藤田選手とやりたいというのを、よそ（の団体）に出たり、いろいろやってきた人間（自身）がダメというのはない。それで彼が行って、次と（チケットを）渡して、来ないというのはやる気がないんでは。一方通行」と認識を明かした。

　諏訪魔への今後のバックアップを聞かれると、「（相手は）一番最初ができてないんだから。こっちは（肩を）透かされてる。作戦かもしれないけど、オレ（の中で）はないな。社長という立場もあるんで」とピシャリ。「諏訪魔が言うのであれば（考える）」とフォローしたが、不快感を隠さなかった。また、「（向こうの）選手がやる気あっても、“鶴の一声”で変わったりするし」とＩＧＦの態勢をチクリとやった。

　諏訪魔の対藤田への思いは簡単に収まりそうもない中、秋山社長は「気持ちはいいと思う。藤田選手もそうかもしれないし。ただ、会社の問題もある。向こうがＮＯということなんだろうから、それは無理。ウチは諏訪魔に行けといって、あいつも自分でケツをふくつもりだと思う。変なことがあれば、オレが責任を負うし」と話した。

　一連の行動は諏訪魔からすべて報告されている。心情を理解する秋山社長は「試合は相手もある。あとは諏訪魔の気持ちだけ。あいつの気持ちをオレが無視することはできない。この先、（開戦への扉が）開くのか、開かないのかは諏訪魔の気持ち次第」と気遣いながらも、「オレは１回目で（ＩＧＦ側が）諏訪魔の気持ちを踏みにじったのは覚えとく」とあえて淡々とした口調で言い放った。