【畑山評論】食い下がる相手への課題

 「WBC世界バンタム級タイトルマッチ」(22日、代々木第二体育館)

 王者・山中慎介(32)=帝拳=が挑戦者の同級1位スリヤン・ソールンビサイ(25)=タイ=を3-0の大差判定で下し、7度目の防衛を果たした。具志堅用高の持つ6連続KOの日本記録に並ぶことはできなかったが、3度のダウンを奪うなど、タフな相手に実力差を見せつけた。自他ともに認めるバンタム級最強王は、今後、団体統一戦を目指してさらなる飛躍を目指す。

 ◇ ◇

 【畑山隆則の目】山中選手は序盤でちょっと動きが硬くて、一瞬どうなるかと思ったほど。公式ジャッジでもポイントを取られているしね。スリヤンが低い姿勢で右ブローから入ってきて、さらに体を密着させて、しつこく手を出し続けたのに、少してこずった印象かな。

 山中選手は世界戦では中南米やヨーロッパの選手と戦うことが多かった。アジア圏のボクサーがサウスポーとやるときは、右から入ってきて距離をつぶすのが常套(じょうとう)手段。そういう意味では、しつこく食い下がる相手に対しての課題が残ったと言えるかもしれない。

 それにしても、やっぱりパンチが強いのは一番の魅力。6回に左ボディーアッパーでスリヤンの前進力がガクッと落ちた。KOはできなかったけど、相手もランキング1位だし、世界タイトル戦ではなかなか試合を捨てないからね。でも完全にワンサイドの勝利ですよ。

 今後は他団体の王者との統一戦や海外での防衛戦を希望しているようだけど、今回は6連続KO防衛を逃して具志堅さんの記録に並べなかったので、次はぜひ13回防衛という具志堅さんの最多記録を目指して頑張ってほしいね。(元WBA世界スーパーフェザー&ライト級王者)

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