【野球】なぜ阪神・岡田監督は2点ビハインドの六回先頭で投手・村上を打席に立たせたのか 評論家が分析

 「阪神0-2広島」(7日、甲子園球場)

 阪神・岡田監督は当たり前のように村上を打席に送り込んだ。2点ビハインドの六回。先頭打者で投手・村上に打席が巡った。6回を投げ終えて101球。5安打2失点ながら、失点はいずれも中野の2失策が絡んだもので、自責は0だった。

 しかし、攻撃は残り4イニングで、村上は先頭打者だった。しかもこの日は6連戦の初戦ではなく、8日の試合を終えれば、9日は移動日。代打、中継ぎ投手の投入を惜しむ必要のない日程だった。2点を追いかける試合展開、球数が3桁に乗ったこともあり、代打を告げるものだと思っていた。だが、岡田監督は微動だにしなかった。

 指揮官は「いや、(続投の方が勝てるという)確率やなしに、そんなん代えられへんよ。あんなところで。(打席が)回ってきても代えてないよ、そんなん。誰も用意してないよ」と言い切った。

 村上は見逃し三振に倒れたが、託された七回のマウンドで矢野を見逃し三振、五回に右前打を浴びていた床田を中飛、初回に二塁打、五回には適時打を浴びた秋山を右飛に打ち取り、三者凡退に仕留めた。七回2死満塁で自らの代打・小野寺が遊飛に倒れたことで勝利投手になることはなかったが、岡田監督のタクトに応えた七回の15球に感じた。

 村上は「まだいける感じやったんで、行くつもりでいました」と話し、中野が失策した場面でいずれも失点したことについて「カバーできなかったというのが一番の反省点なので、中野さんには申し訳ないなと」と踏ん張りきれなかった自らの投球を悔いた。

 阪神OBの中田良弘氏は「岡田監督は村上に勝たせたかったんじゃないかな。普通の投手なら代えてたと思うけど。村上だから続投だったんだと思う。前回でも初回先頭打者ホームラン打たれてから、しっかり1失点完投したでしょ。それに、この日の村上のボールは生きてた。あのボールを見て、岡田監督は続投を決めたんだと思う。100球イコール交代のメドじゃないし、村上の投げる日は、村上と心中するという覚悟を持って臨んでるように感じる」と解説した。

 143試合の長丁場を見据えながら目の前の勝利を必死に追い、任されたマウンドで懸命に腕を振る選手のモチベーションを維持し、さらに上向かせるという岡田采配。結果として打線が無得点に終わり、村上は2敗目を喫したが、続投を選んだ指揮官の思いは確実に右腕の心に染みたはずだ。

 当然のように続投を選択した岡田監督の思いは、まだ行ける、行くつもりでいたという村上の胸中と絶妙にかみ合った。あ・うんの呼吸に似たベンチワーク。士気を下げる敗戦が少ないこともペナントを勝ち抜く上での大事な要素。老練な岡田監督ならではの味わいを感じた夜だった。(デイリースポーツ・鈴木健一)

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