【ライフ】代官山の人気おにぎり専門店が神戸にも進出

 鮭おにぎり。包みもかわいい
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 秋田の大地の恵みを神戸でも-。11月21日、神戸市の阪神電鉄本線・深江駅前にオープンした手づくりおにぎり専門店「ONIGIRI ICHIGO(おにぎりいちごう)」。あきたこまち専門農家「株式会社 RICE BALL」が運営しており、東京・代官山店に続く2号店だ。利用客は学校帰りの学生から仕事帰りのサラリーマンまで幅広く、早くも町に浸透している。

 “生産者直営握り”を売りに社長自ら握ってくれるおにぎりは、人一倍愛情が注がれている。「RICE BALL」代表取締役の鈴木貴之さんは秋田出身。農家で生まれ育ったわけではないというが、「自分たちの手で作り、自分たちの手で売りたい」と、高齢化が進む農業に参入した。

 農林水産省の統計によると、2015年の農業就業人口の平均年齢は66.4歳。一方、「RICE BALL」社員の平均年齢は38歳。若い力で農業の“再生”に注力している。神戸での出店は、学生時代に過ごした思い出の地、そして妻・舞さんの地元であることから決意。駅近でテイクアウトができる店舗と巡り合い、オープンに至った。

 男性の手で握られたおにぎりは、ずっしりと重い。一番人気は「焼きおにぎり」(税込200円)。甘めのしょう油で味つけられたおにぎりの中に、程よい塩気のシャケが抜群に合う。かめばかむほど甘みが出るあきたこまちの魅力にやられ、「もうひとつ…」と、つい手が伸びてしまう。1度に30個もの注文が出ることもあるというほどの人気ぶり。日替わりや梅、昆布など種類も豊富で、毎日違う味を選ぶのも楽しい。記者もすでに6種類のおにぎりを口にし、米がある生活のありがたみをひしひしと感じている。

 店名「ONIGIRI ICHIGO」の由来は米の消費が低下している現在、一人1日1合を食べて欲しいという願いがこめられている。店のトレードマークでもある2つのおにぎりが並んだマークは、末広がりの「8」をイメージして作ったそう。「おにぎりで米の普及や農家の人たちの思いが広がっていけば」と鈴木さんの強い思いが表現されている。

 米の生産者が販売者として、米をおにぎりという形にして店で提供するのは「ONIGIRI ICHIGO」だけとのこと。「日本の農業が明るくなることが目標。おにぎりで米の消費拡大を狙います」と鈴木さんは意気込む。高齢化が進む農業が、若者にとって魅力ある職業へと変わるよう、「RICE BALL」は発信し続けていく。(デイリースポーツ・疋田有佳里)

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