【ライフ】「小学一年生」は大丈夫?小学館を直撃
小学館が発行する『小学二年生』の休刊が発表された。1925年(大正14年)に創刊され、その歴史は実に91年にも及ぶ。現在生きているほぼすべてのひとにとって、当たり前のようにあった「小学○年生」シリーズ。残るは「小学一年生」のみとなる。最後の砦は果たして大丈夫なのだろうか。小学館児童学習局・松井聡チーフフプロデューサーに訊いてみた。
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「小学一年生はなくなりません。というのも1年生というタイミングはやはり特別です。入学で必要なものは?と親御さんにとってもわからないことが多く、そもそも学校ってなに?という内容で『小学一年生』は作られています。ただ2年生以降になると、従来は1年生の次はコレ、といったようにあくまで順序を追った総合的な内容で勝負してきましたが、それが違ってきたのかなと思います」
-1年生と2年生では意味合いが大きく違ってくる。
「今の小学生は収集力が格段に進化しています。情報力でいえばスマホやパソコンがあり、経済力でいえば、祖父母まで含めたおこづかいがあります。『小学一年生』で得たきっかけから、自力でとことん収集できてしまう。そういう変化に対して、今年は増刊というカタチで試金石を投げてみました。付録と連動した『小学8年生 夏休み3大宿題攻略本』(※「8」はデジタル数字。どの数字も入れられるので、学年を特定していない)は、とても好評で、編集部としても手応えを得ました。小学生であっても、より専門的な内容のほうがヒキがあり、大きな伸びが期待できると実感しました」
-決して「二年生」の売り上げが悪いわけではなかった。
「最盛期の100万部超から比べると少なく感じますが、6万部というのは続けていくには十分な数字です。『小学○年生』という『総合誌』より、ピンポイントな『特集主義』に移行しようというのが大きな理由です」
実際、最終号となる2・3月合併号(16年12月26日発売)のあとには、来春に向けてすでに新たな特集系の雑誌が予定されているという。
ネットなどでは「小学○年生だけが唯一買ってよかった雑誌だった」と惜しむ声が続いている。
編集部にも「1年生を購読していて、来年どうしたらいいのか」といった“現役の嘆き”から、「昔、読んでいて本当に楽しみだった」というオールドファンの声も届いている。
「少なくとも向こう5、6年は間違いなく続けます」という「小学一年生」。「二年生」の休刊が小学生の成長速度の変化から生まれたものだとすれば、学びがスタートする「幼児期から児童期へ移行する6歳前後」がターゲットとなる「小学一年生」は変わりようがないはずだ。これからも「本好き人間にとってのマイ・ファースト・マガジン」(小学一年生・渡辺編集長)であることを期待したい。(デイリースポーツ・百瀬啓太)


