【ライフ】「駐犬場」のあるスーパー大好評だワン 宮崎県、犬専用スペース登場

 駐車場や駐輪場だけではなく“駐犬場”もあるスーパーマーケットが宮崎県にある。「コープみやざき」では、同県内で展開する14店舗のうち5店舗で、犬を繋ぐことができるスペースを設置。簡易なものながら、愛犬家からも、犬が苦手な客からも「安心して買い物ができる」と喜ばれている。

 スーパーに行くと、出入り口付近に犬が繋がれ、不安げな表情で飼い主を待っている姿を見かけることが、どこでもよくあるだろう。時にはほえたり、粗相したりすることも。犬を連れてくる人は「散歩ついでに買い物も」との理由などが考えられるが、一方で、スーパーに来る人の中には、犬が苦手な人やアレルギーの人もいる。

 こうした問題を解決するため、宮崎県内で14店舗を展開する「コープみやざき」では、花ケ島店、大塚店、赤江店、かおる坂店、日南店の5店舗で、犬を繋ぐ「駐犬場」を敷地内に設置している。

 宮崎市郊外にある「コープみやざき かおる坂店」。店正面の出入り口から向かって左に5メートルほど離れた場所に、犬2匹を繋る2畳ほどのスペースがある。Park(駐車)を表す「P」の文字と犬のイラストをあしらった青地の看板、それに本物そっくりの犬の人形が目印だ。首には「ここでまってるワン!」と書かれた札がぶら下がっている。

 リードを繋ぐフックや柵が設置され、店の軒先の屋根下なので雨にぬれることもない。駐犬場専用の防犯カメラはまだないが、店舗内外には既存の防犯カメラが複数台設置されている。

 同店にこの「駐犬場」ができたのは今年6月。本島友和店長(45)は経緯について「店の出入り口のすぐ横にある、買い物カートをとめる金属パイプに犬を繋いで買い物をされるお客さまがよくいらっしゃって、他のお客さまから『店に入りにくい』、『犬がこわい』といった苦情が出たことがきっかけです」と話す。

 しばらくは「ここに犬を繋がないでください」という張り紙を貼って対応していたが、別の客から『それなら犬をつなぐ専用スペースを作っては』との声があがり、設置に至った。利用客の主婦(59)は「これまでは、犬と一緒に店に来たときはつなぐ場所を探して悩んだり、できるだけ短時間で買い物を済ませたりしていたので、ちょっとした買い物には便利ですね」と笑顔で話す。

 また、車の中で犬を待たせたまま買い物する客もいるが、「駐犬場」ができてからは夏場は犬の熱中症対策のために利用する人も少なくなかったという。さらに「犬が苦手なお客さまからも『店の出入り口に繋ぐ人がいなくなったので、安心して買い物できる』との声をいただいています」(本島店長)と好評だ。

 「コープみやざき」で駐犬場が初めてできたのは、花ケ島店がオープンした2006年。当時の同店店長で、現在は店舗事業本部の山下英則さん(56)は「もともとは愛犬家へのサービスのつもりではじめたのですが、ここ最近、お客さまからのニーズが高まり、犬を繋ぐスペースを設置する店が増えてきました。告知不足もあって利用者は少ないのが現状ですが、これからもお客さまの声を大切にしながら、快適な買い物ができるような店舗づくりに努めていきたいです」と話していた。(デイリースポーツ特約記者 西松宏)

関連ニュース

編集者のオススメ記事

オピニオンD最新ニュース

もっとみる

    ランキング

    主要ニュース

    リアルタイムランキング

    写真

    話題の写真ランキング

    注目トピックス