【社会】舛添知事、辞職なら46億円…

 政治資金の私的流用疑惑が噴出している東京都の舛添要一知事は、釈明の場に指定した20日の定例会見で「精査中」を連発し、数々の疑惑に対する明確な説明を避け続けた。変わらず辞職に関しては否定したが、批判を増幅させる結果を招き、知事職続投に暗雲が立ちこめた。しかし仮に舛添氏が辞職した場合、次期知事を選ぶ都知事選費用は約46億円と試算されることも判明。都民は甚大な負担を強いられることになる。

 高額出張費および公用車問題に端を発した舛添氏の問題は、参院議員時代の温泉会議、私的飲食、政党交付金ネコババ、美術品オークション、まんじゅう大量購入、彫刻印鑑購入…などと数々の疑惑が報じられ、止まる気配がない。前回13日の釈明会見を見た、元妻の片山さつき参院議員が「火だるまになる」と指摘したとおりの展開となった。

 舛添氏は、20日に噴出する疑惑の説明を先送りするも「全力を挙げて都民のためにいい仕事をしたい」と辞職を否定したが、東京都にはこの日までに約6100件の抗議が殺到。ネット上では、不倫騒動のベッキーのLINEに引っかけ「精査で押し通すつもり 笑」と揶揄する投稿も相次いでいる。

 今後、大幅な状況変化がなければ、知事職続行が立ちゆかなくなり、辞職が避けられない状況に追い込まれるケースも予想される。

 東京都選挙管理委員会によると、都知事の任期途中辞職に伴う都知事選の費用は、猪瀬直樹前知事の途中辞職を受けて行われた前回2014年2月の都知事選で「46億円強」。舛添氏が途中辞職した場合も、同様の費用が試算される。

 最直近に任期満了に伴う都知事選が行われた11年4月(石原慎太郎氏が4選)での選挙費用は「42億円強」。途中辞職に伴う選挙費用は、“不要な支出”となるうえ、通常選挙費用より約4億円が余分にかかっている。

 東京都選管は、途中辞職の場合は、法的に50日以内に選挙実施することが定められており「任期満了のケースでは事前に準備できるが、途中辞職となれば、期間が短く、印刷物などの費用など、多くの経費が割高になる」と説明。都知事が辞表提出するまでは、事態を予測して動くわけにもいかない。

 また舛添氏が早期に辞職し、現職の舛添氏以外の人物が当選を果たした場合は、任期は4年となるため、その次の都知事選が2020年夏の東京五輪(20年7月24日開幕)の時期と重複する可能性も。

 大揺れの五輪ホスト都市。一連の舛添氏の問題に、都民は苦渋の判断を迫られている。

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