【スポーツ】女子バスケ、メダルの希望
リオデジャネイロ五輪まで、あと約3カ月。女子バスケットボール日本代表は、7日、9日、10日と3試合、世界ランク2位のオーストラリアと国際強化試合を行った。結果は順に41-80、55-81、73-84。世界ランク16位の日本は、ロンドン五輪銅メダルの強豪との差を徐々に詰めていった。
掲げるのは「メダルへの挑戦」。昨夏のアジア選手権で優勝し、04年アテネ五輪以来3大会ぶりの五輪出場を決め日本代表は、この3試合でも「手応えはあった」(吉田主将)。着実に前進している実感があった。勝利こそ得られなかったが、内容は大きく上向いてきている。
Wリーグファイナルの最終戦が3月15日。実戦からは2カ月近く遠ざかっていた。2メートル超の長身センターを相手に初戦は苦戦したが、徐々に試合勘は戻った。2人目3人目がカバーに入り、長身選手にボールを持たせない守備は徐々に機能し始めた。
この短期間でこれだけ内容に変化があったのは“飛び道具”である3点シュートと“地上戦”が改善の兆しを見せたことが大きい。高さのない日本代表が世界を相手に勝ち抜くには、この二つを徹底するほかない。初戦は0本だった3点シュートを3戦目にはなんとか7本決めた。繊細な感覚が必要な一方、リズムのいいときは打てば必ず入るようなゾーンに入るのもこの武器の特徴。個々の技量はもちろん、周囲がいかに、シューターに気持ちよくシュートを打たせるかが重要になる。
気持ちよく打たせるために重要となるのがリバウンド。リバウンドを制するために重要なのが“地上戦”だ。長身選手にゴール下で真っ向勝負を挑んでも、勝ち目はほぼない。相手にいい場所を取らせないこと、いいタイミングで跳ばせないことが重要だ。ディフェンスリバウンドを取って相手の攻撃を一度で断ち切れば、こちらの攻撃にリズムが生まれるし、オフェンスリバウンドが取れればもう一度攻撃のチャンスが生まれる。
この3戦、オーストラリアのオフェンスリバウンド(日本ディフェンス時のリバウンド)は、18→20→5と推移。3戦目では日本のセンター陣が相手の長身選手を押しだし、小さい選手がリバウンドに跳び込むプレーが目立った。セカンドチャンスを与えなかったことが、接戦を演じられた要因のひとつ。コートを走り回り、地味に踏ん張り続けた選手に会場のファンは大きな拍手を送った。
だが吉田は冷静だった。「ここまで2試合よりはよかったが、最後競った場面でのディフェンスリバウンドや決め切らなきゃいけないシュートを、チームとして身につけないといけない」。残り5分で2点差まで詰めたが、これが決まれば…というシュートを決めきれず、最後は時間を止めるためのファウルゲームへ持ち込み、ズルズルと点差は開いた。勝機はあったが、つかみきれなかった。ゴール下の大黒柱・間宮も言う。「日本のよさが前面に出たら、勝負は分からないと思う。でも、相手は五輪の戦い方を知っている。本当に強化をしないと、ちょっと調子がいいくらいでは勝てない」
日本代表はここから、国内外で多くの合宿をこなしていく。「目指すものに少しでも近づけるように、チームを作り上げたい」と内海ヘッドコーチ。メダルへの挑戦は、まだ第1歩を踏み出したばかりだ。選手の大型化により、『世界で勝てない』とも言われた日本のバスケットが、世界をかき回す可能性は十分にある。(デイリースポーツ・國島紗希)



