【野球】パのストーブリーグ覇者は?

 2016年がスタートした。今年のプロ野球は、どんなペナントレースが展開されるのか。今オフの支配下登録選手の変化をまとめた。

 パ・リーグは2015年、2年連続リーグ優勝、日本一を果たしたソフトバンクが黄金時代を迎えている。ストップなるかが焦点になる。

 【ソフトバンク】圧倒的な強さでリーグ連覇を果たしたが、今オフはチームを揺るがす動きがあった。不動の三塁手で、チームリーダーの松田が海外FA権を行使。主に指名打者としてプレーした李大浩もメジャー挑戦を希望して自由契約となった。今季、2人で計66本塁打、192打点を挙げた主力が離脱となれば、チームには大きな痛手だ。

 だが、松田はメジャー球団から「サード一本」のオファーがなく、王球団会長から慰留されたこともあり残留を決断。最悪の事態は免れた。李大浩もメジャー球団との交渉がまとまっておらず、残留の可能性もある。

 このオフは、15年シーズンに10勝を挙げたスタンリッジがロッテに移籍した。補強は、かつて左のエースとして活躍した前カブスの左腕・和田が5年ぶりに復帰。メジャー通算4シーズンで5勝5敗、防御率3・36だったが、古巣で輝きを取り戻せるか。

 外国人はベネズエラ出身の右腕スアレスを獲った。最速158キロを誇るが荒削りで、将来を見越した補強と言える。

 【日本ハム】昨季はエース・大谷が15勝を挙げる活躍。日本のエースに成長した。チームは2位に甘んじたが、貯金17でシーズンを終えており、さらに若い選手も育っている。これから先が楽しみなチームだ。

 今オフは主力級の動きはなく、投手のメンドーサ、内野手のレアードとの契約を更新した。

 獲得したのは前ヤンキースのリリーフ投手マーティン。203センチの長身右腕で、メジャーでは2年間で通算40試合に登板し、0勝2敗1セーブ、防御率6・19。マイナーでは先発の経験もある。

 ドラフトでも1位上原(明大)、2位加藤(新日鉄住金かずさマジック)、3位・井口(東農大北海道オホーツク)と、上位3人が大学生、社会人の投手。投手力強化というチームの姿勢が表れている。

 西武を戦力外となった米野を、捕手兼2軍バッテリーコーチ補佐として獲得した。

 【ロッテ】昨季は終盤の追い上げで3位に食い込んだ。しかしシーズン後、今江がFA権を行使して楽天に移籍。同じくクルーズも巨人に移籍した。三塁、二塁のレギュラーが一気にチームを去るという厳しい状況となった。

 これまで獲得したのは、前ソフトバンクの投手スタンリッジ。昨季は23試合に登板し10勝7敗、防御率3・74。37歳とベテランの域に達しているが、実績は十分だ。さらに今江の人的補償で、楽天から選手を獲得する可能性もある。

 懸案の内野手だが、ここまでのところ補強はない。現有戦力はもちろん、ドラフト1位で獲得した強打の平沢(仙台育英)への期待も大きくなる。

 【西武】昨季は4位に終わったが、打線はシーズン最多安打の秋山、本塁打と打点の2冠を獲得した中村らがそろい、力はある。課題は投手陣で、今オフは投手を重点的に補強している。

 ドラフトでは10選手を指名したが、1位の多和田(富士大)を始め8人が投手。外国人は前韓国・ネクセンの左腕バンヘッケンと、前インディアンスの右腕・李振昌を獲った。バンヘッケンは韓国で12年から4年連続2桁勝利を挙げた先発投手。台湾出身の李振昌は救援投手で、13年にメジャーデビューし、通算47試合に登板している。

 野手では前オリックスの外野手・竹原を獲得。さらに広島からFA宣言した内野手の木村昇を春季キャンプでテストすることを発表している。

 【オリックス】昨季は中島、小谷野、ブランコらを補強して臨んだが、投打とも開幕から振るわず、森脇監督がシーズン途中で休養。最終的に5位に沈んだ。福良監督代行が正式に監督に就任し、巻き返しを期す。

 オフは大きくチームが変わった。谷、平野恵が現役を引退し、井川、馬原、坂口、鉄平ら実績のある選手が退団した。外国人選手もバリントン、ヘルマン、カラバイヨらがチームを去った。

 ドラフトでは西武と並んで最多の10人を獲得。さらに外国人も前マーリンズの右腕コーディエ、前フィリーズの外野手ボグセビック、前アスレチックス傘下3Aの内野手モレルを獲った。

 コーディエは最速160キロのリリーフ投手で、抑えとして期待される。ボグセビックはメジャー通算19本塁打の長打力に加え、足もある。モレルはメジャー通算13本塁打をマークした三塁手だ。

 補強ではないが、エース・金子が復活するかも注目。昨季は右肘手術の影響などもあり、16試合で7勝6敗に終わったが、完全復活となれば大きなプラスになる。

 【楽天】13年にリーグ優勝、日本一となったが、田中がヤンキースに移籍すると、14年から2年連続で最下位。大久保監督は1シーズン限りで退団し、梨田新監督が就任した。このオフは斎藤、小山伸らが現役を引退し、ペーニャらが退団した。

 チーム再建へ、ロッテからFA宣言した今江を獲得。三塁はウイークポイントで、計算できる選手で埋められたのは大きい。

 他球団を戦力外となった選手の獲得にも積極的だ。投手は前中日の山内と前ソフトバンクの金無英、捕手は前ロッテの川本、内野手は前広島の栗原を獲得した。注目は栗原で、2004年から8年連続で2桁本塁打をマークした実績がある。右肘手術の影響などで14、15年は1軍出場がなく、志願して自由契約となり、新たな働き場所を求めた。

 新外国人は前パイレーツのリズ、前ブルージェイズのブリガムという両右腕、今季メキシカンリーグで41本塁打、117打点をマークしてMVPに輝いた内野手アマダーの3人。リズ、ブリガムはともに先発、中継ぎがこなせる。アマダーは体重135キロで、NPB史上最重量であることも話題となった。

 新人では話題のオコエ(関東第一)をドラフト1位で獲得。高卒野手に1年目から過度な期待は禁物だが、大きな話題になりそうだ。(デイリースポーツ・足立行康)

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