【レース】関東馬坂路効果でダート躍進

 今、ダート界で関東馬の存在感が増している。11月8日のみやこSで戸田博文厩舎のロワジャルダンが重賞初制覇を飾り、14日の武蔵野Sで加藤征弘厩舎の3歳馬ノンコノユメが初対戦の古馬を撃破した。13、14年の2年間を合わせても、関東馬はJRAのダート重賞を2勝しかしていなかった(関西馬は28勝)のが、今年は4勝を挙げている。

 その旋風は11月3日に大井で行われたJBC3競走から始まった。まず、JBCレディスクラシックで高木登厩舎のホワイトフーガがレース史上初となる3歳馬Vを決めると、続くJBCスプリントで小野次郎厩舎のコーリンベリーが逃げ切って戴冠を果たした。

 この勢いで最後のJBCクラシックも関東馬が勝ってしまうのでは-。美浦トレセンで観戦していた関東記者たちのボルテージが高まる中、高木登厩舎のサウンドトゥルーは2着。惜しくも“3連勝”とはならなかったが、関東馬の躍進をしっかりとアピールした(ただし、コーリンベリーは9月末まで関西の柴田政見厩舎所属)。

 なぜ急に関東馬が走り出したのか?ノンコノユメを管理する加藤征弘調教師に尋ねてみたところ、「昨年の3月から美浦坂路の馬場が重くなったのが大きいのではないか。しっかり負荷がかかるようになった」と分析。高木登調教師も「坂路を使っていない馬もいるけど」と前置きしつつ、「効果はあるかもしれない」と話した。実際にノンコノユメとサウンドトゥルーは速い時計を出さないにしても、坂路でしっかりと乗り込んでいた。

 「負荷がかかり過ぎるので追い切りに適さないのでは、という意見もある。ただ、賛否両論の声はあるけど、基礎体力がつくことは確か」と加藤征弘調教師は評価した。以前に“美浦坂路は上級馬に不向き?”という題で書いたが、美浦坂路のリニューアル効果は、パワーの要るダートの上級条件で結果に結びついていたのだ。

 今週日曜のチャンピオンズC(12月6日、中京・ダート1800メートル)に関東馬は6頭エントリー(イッシンドウタイは除外対象)。昨年のこのレースと、今年のフェブラリーSに一頭も関東馬の出走が無かったことを考えれば、東西の差は確実に詰まっていると言える。特に今年は人気を背負える楽しみなメンバーがそろった。もちろん、関西にはフェブラリーSを2連覇したコパノリッキーや、地方も合わせたダートG19勝のホッコータルマエなどがいて層は相当厚い。だが、今の勢いが本物なら、02年ジャパンCダート(イーグルカフェ)以来、13年ぶりとなる関東馬のJRAダートG1制覇を期待してもいいのではないだろうか。(デイリースポーツ・刀根善郎)

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