試練迎えた若虎…最下位転落の翌日抹消

 若虎に試練が訪れた。チームは5月9日の広島戦に敗れ、10試合以上を消化した時点では4年ぶりの最下位に転落。その翌10日に島本、松田が出場選手登録を抹消された。

 昨オフに育成選手から支配下登録された5年目の島本は、春季キャンプから1軍に帯同。オープン戦は9試合無失点で、育成入団から球団史上初の開幕1軍を勝ち取った。

 開幕後は貴重な左腕として4月中旬まで防御率1点台を維持。しかし、4月25日の広島戦以降、5試合中4試合で失点。12試合に登板して防御率7・62で2軍降格となった。

 「ここ一番の制球があまかった。連投で疲れがあると、力でいってしまうところもあった。連投でも投げられる体力をつけないといけないと感じたし、調子が悪くても低めにいく制球力をつけないといけない」と初の1軍を振り返った。

 4年目の松田は、春季キャンプは2軍スタートながら、オープン戦は5試合で防御率1・69。初の開幕1軍入りを果たした。

 中西投手コーチから「八回を任せる」と言われてスタートしたシーズンは、最高の滑り出しだった。3月27日の開幕戦・中日戦から2日連続勝利投手。その後も「勝利の方程式」の一角を担い、開幕から5試合連続無失点を記録したが、一気に暗転してしまった。

 4月14、15日の中日戦で、2日連続のサヨナラ負け投手。昨季までの1軍登板は33試合と経験が浅い右腕は、一度狂った歯車をなかなか戻せなかった。

 5月に入ると不安定な内容が続き、同9日の広島戦では鈴木誠に頭部死球を与えて初の退場。13試合に登板して3勝2敗、防御率3・65で出場選手登録を抹消された。

 13年はプロ初登板から17試合連続無失点と華々しいデビューを飾ったが、立場が変わり、プロの厳しさを味わった。「以前、抑えられたのはたまたまだったと感じた。相手にデータが入っている中で、どう打ち取れるかを考えたけど、力がなかった。だからファームに落ちている。あまいところに投げると打たれるのは分かっているのに、直球も変化球も低めに投げられなかったので」と悔しさを隠さなかった。

 ただ、2人は反省しながらも前向きだった。島本は「自分の持っている球をちゃんと低めに投げられれば、抑えられるというのは分かった。全く歯が立たないわけじゃなかったので、低めに強いボールを投げられるようにしたい」と話し、最後に「ここ(2軍)にはいたくない」と言い切った。

 松田も「悔しい気持ちはある。でも、落ち込むより、反省して練習するだけ。結果を残せばまたチャンスが来ると信じて頑張りたい」と再昇格を誓った。

 2人が2軍落ちしたことで、1軍の中継ぎ陣から20代前半の投手はいなくなった。チームの将来のためにも、1軍の厳しさを味わった2人の復活が待たれる。(デイリースポーツ・西岡 誠)

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