四国アイランドLの“米国進出”に注目
2015年、創設11年目を迎えた野球独立リーグの四国アイランドリーグPlus(以下四国IL)が“米国進出”にチャレンジする。
昨年末に高松市内で開かれた設立10周年記念式典で、四国ILの鍵山誠CEOからリーグ新構想が発表された。経営改善戦略や選手強化策などが示される中、特に目を引いたのが、今夏に実施されるという米国遠征プランだ。
武者修行と言っていい。6月に愛媛、香川、徳島、高知の4球団からトップレベルの選手25人前後を選出。四国IL選抜チームを結成して米国に渡り、米独立リーグの「キャンナムリーグ」、「アトランティックリーグ」の球団と、2カ月間で計25試合程度を行うという。
米国の独立リーグには元メジャーリーガーや日本や韓国のプロ野球経験者も多く、レベルは高い。さらにキャンナムリーグと対戦する17試合はすべてリーグの公式戦に組み込まれることが決まっており、「まさに真剣勝負。厳しい環境で選手たちは技術、精神面を強化できる」と鍵山CEOは期待する。
独立リーグの試合には、スカウトなど多くのメジャー関係者が視察に訪れるという。そこで活躍が目に留まれば…。普段は四国という小さなエリアを主戦場にしている選手たちにとって、2カ月間に渡って北米各地を転戦するという経験は、その後の野球人生に大きな意味と可能性をもたらすに違いない。
500~1000万円が必要とされる遠征費用はリーグが全額受け持つため、選手を送り出す4球団に負担はない。鍵山CEOからは試合スケジュールの変更も発表され、選抜チームが米国遠征する6、7月は四国ILのリーグ戦は中断されることになった。
四国ILは、過去10年間でNPBに計45人の選手を送り込んだ。06年ドラフト7巡目で高知からロッテ入りした角中勝也が、12年にパ・リーグ首位打者のタイトルを獲得。昨年は、香川からドラフト2位で中日に入団した又吉克樹が中継ぎとして大活躍した。鍵山CEOは「NPBに選手を送り込むという設立当初の目標は、ある程度達成できた」と話す。
次なる10年はNPBの枠を越え、世界に人材を輩出するという野望にトライする。同時に、これまでギリギリの経営を続けてきた四国IL各球団のビジネスも、国際化することによって収益アップへの道を広げようという狙いもある。
「米国で四国ILをアピールする絶好のチャンス。リスクはあるが、成功をつかんで我々の存在意義を高めたい」と鍵山CEOは熱く語った。四国ILからメジャーリーガー誕生-。10年前は夢物語でしかなかったストーリーが近い将来、現実となることを期待したい。(デイリースポーツ・浜村博文)
