打つ手早かった!広島の来季助っ人体制

 広島が来季の助っ人陣容を早くも固めた。キラ、バリントン、フィリップスに続き、7日に3年連続20セーブ以上をマークした守護神ミコライオと契約を更新しないことが分かった。すでに今オフ獲得しているザガースキー、ジョンソンの両左腕、内外野を守れるグスマンが加わり、現時点では残留するエルドレッド、ロサリオ、ヒースと合わせ、計6人の外国人選手で来季を迎えることになる。

 最初のザガースキーの獲得は、CSファーストSで阪神に屈した日から5日後のことだった。その8日後、球団にはグスマンを、さらにその4日後にジョンソンと、立て続けに獲得を発表した。

 電光石火のごとく、外国人を獲得したが、来季目指す優勝への本気度を伺わせる。「時期が遅ければマネーゲームになる可能性がある。早い段階ならばいい選手を手頃な値段で獲得できる」と球団幹部。野村政権から緒方政権に移行している最中で、緒方新監督とじっくりと話し合う時間はなかったはずだが、チームのウイークポイントをピンポイントで補強している。

 まずジョンソンは長年課題となっていた先発左腕だ。今季先発左腕として期待していた篠田や戸田らがローテで固定できず、前田、大瀬良、バリントン(ヒース)、野村、福井と先発陣は右腕ばかりになってしまった。ジョンソンはメジャーで目立った成績はないが、今季3Aで2年連続で10勝。150キロの直球が武器の本格派がローテに入れば、右投手だらけの偏った状態から脱却できる。

 ザガースキーには守護神ミコライオの穴を埋めてもらいたいはずだ。映像を見た球団幹部は「やってくれると思う」と高い評価。ジョンソンと同様に150キロ超の直球が武器の本格派で、3Aでは三振を量産した。

 グスマンとは、外国人選手の契約初年度年俸としては球団史上最高金額となる100万ドルで契約した。シュアな打撃が持ち味で、長距離砲というよりはアベレージ打者。阪神のマートンをイメージしているようで、「勝負強い打者になる可能性がある」(球団幹部)と、課題の一つだった決定力不足を埋めてくれると願っている。

 この新外国人3人と、エルドレッド、ロサリオ、ヒースをどのように組み合わせられるのか。緒方監督の采配が注目されるところだ。特に今季途中入団で先発として3勝を挙げ、CSファーストSではリリーフとして好投したヒースの起用法は見どころだ。

 阪神とのCSファーストSでは、短いイニングということで先発の時よりも直球の球速や球威があったヒース。先発の時は試合途中に突然制球を乱す場面もあったが、リリーフでは2試合ながら安定した投球を披露。ジョンソンと先発を争わすか、ザガースキーと抑えを争わすか。

 野手はエルドレッドとグスマンでスタートする可能性が高そうだが、ロサリオを簡単に控えとして2軍に置くのももったいない。「いろいろな組み合わせができる」と話す緒方監督。他球団からも定評のある広島の外国人補強だけに、来季も楽しみだ。

(デイリースポーツ・菅藤 学)

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