真中燕、補強ポイントは抑えの抑え!?
ヤクルトの新監督に真中満チーフ打撃コーチが就任することが決まった。2年連続最下位に終わったチームは打率、得点などはリーグトップだったが、防御率は12球団ワーストを記録。再建のテーマは投手陣の整備であることは誰の目から見ても明らかだ。真中新監督も就任会見では当然のように「いっぱい欲しい」と、質量ともに手薄な投手の大量補強を熱望した。中でも「(抑えの)バーネットの後ろを投げる投手がいればいい」との言葉が気になった。
バーネットの後ろということは“抑えの抑え”。そんな役割の投手を始めから用意しておくのはナンセンスに思えるが、現実に今季はその必要性を痛感させられる試合が多かったのだ。それは数字に表れている。以下に記す今季のセ・リーグの延長戦成績を見れば一目瞭然だ。
巨人13勝9敗1分
阪神7勝3敗1分
広島11勝3敗2分
中日6勝8敗4分
DeNA8勝6敗2分
ヤクルト2勝10敗3分
最下位なのだから数字が悪くなるのは当然だが、2割を切る勝率は飛び抜けて低い。抑えのバーネットが九回に登板した後も試合が続く展開になると、その後に登板する投手が崩れて敗れるパターンが多かったからだ。逆に“抑えの抑え”、というよりは信頼できるリリーフ投手がもう1人いれば、あと一歩で勝てる試合をものにできたケースも多かっただろう。
衣笠球団社長も資金を投入して積極的にFA選手の獲得に乗り出す姿勢を示すなど、バックアップを約束している。だが、激しい争奪戦が起こることが予想される有力選手は何人も獲得できるものではない。となると、優先すべきは信頼できるリリーフ投手の獲得ではないだろうか。
勝てる試合をものにする数が増えるだけでも成績は大きく改善されるはず。先発投手の登板数は多くても年30試合ほどしかない。リリーフ投手は年70試合以上投げることもある。効率のいい補強だと思うのだが…。
(デイリースポーツ・洪 経人)